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Tomizo Jinno

コンプライアンス問題を映像で学習する

社会的に信頼されていた企業が、一夜にして瓦解する事例を頻繁に耳にするようになりました。これまであたりまえだと思ってやってきたことが、ある日を境に世論が逆転したような気持ちになるのが、当事者の方々ですが、冷静になって考えればもともとおかしかった・・・という事案が多いように思います。経営者みなさんは社員が「あたりまえ」と思っていることの中に法令違反やモラルに反することがないか、絶えず目を光らせていなければなりません。

そうした事案の芽を摘むことが重要ですが、その前に全社スタッフがこの問題に意識を向けることが、会社を守る第一ステップです。


日本の企業運営において、コンプライアンス問題は多岐にわたります。近年では、グローバル化の進展や社会の価値観の変化に伴い、より複雑化しています。主な項目を以下にまとめます。


法令遵守

  • 労働法: 労働時間、賃金、休暇、解雇など、労働に関するあらゆる法令の遵守。

  • 会社法: 会社の設立、株式発行、取締役の責任など、会社に関する法令の遵守。

  • 会計法: 適切な会計処理、開示義務など、会計に関する法令の遵守。

  • 税法: 法人税、所得税、消費税など、税金に関する法令の遵守。

  • 競争法: 独占禁止法、不正競争防止法など、公正な競争を確保するための法令の遵守。


社会規範の遵守

  • 倫理規範: 企業倫理、行動規範など、企業が定める倫理的な行動基準の遵守。

  • 人権: 従業員や取引先の人権尊重、差別禁止など。

  • 環境: 環境保護、サステナビリティなど、環境への配慮。

  • 情報セキュリティ: 個人情報保護法、不正アクセス防止法など、情報の保護に関する法令の遵守。

  • 反社会的勢力との関係: 反社会勢力との関係遮断。


その他

  • ハラスメント: セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント、モラルハラスメントなど。

  • 贈収賄: 顧客や取引先への不正な贈与や、不正な利益供与の禁止。

  • 内部告発制度: 不正行為を発見した場合の内部告発制度の整備。

  • コンプライアンス体制の構築: コンプライアンス委員会の設置、研修の実施など。


近年注目されているコンプライアンス問題

  • 働き方改革関連法: 時間外労働の上限規制、年次有給休暇の取得促進など。

  • ダイバーシティ&インクルージョン: 性別、年齢、国籍、障害など、多様な人材の活躍を促進するための取り組み。

  • サステナビリティ経営: ESG投資の拡大に伴い、環境、社会、ガバナンスに関する取り組みが重要視されている。


コンプライアンス問題が発生する原因

  • 法規制の複雑化: 法律や規制が頻繁に改正されるため、対応が難しい。

  • グローバル化の進展: 異文化間でのビジネスにおいて、異なる価値観や慣習が衝突することがある。

  • 技術革新: 新しい技術の登場により、新たなリスクが生じる可能性がある。

  • 企業の規模拡大: 企業が大きくなるにつれて、管理が難しくなり、不正が発生しやすくなる。

  • 従業員の意識不足: コンプライアンスの重要性を理解していない従業員による違反行為。


コンプライアンス問題を防ぐために

  • 経営層のコミットメント: 経営層がコンプライアンスを最優先事項として位置付ける。

  • 従業員への教育・啓発: コンプライアンスに関する教育を定期的に実施する。

  • 内部通報制度の整備: 不正行為を早期に発見し、対応できる体制を構築する。

  • リスクアセスメントの実施: 潜在的なリスクを事前に特定し、対策を講じる。

  • 外部専門家との連携: 弁護士、会計士など、外部の専門家の知見を活用する。


こうしたコンプライアンスに関する課題を全社、組織の末端まで共有するために映像を使う企業が増えています。これらすべてを一度の学習することは無理ですので、テーマ別に分けて定期的に視聴するような体制作りが大切です。


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