CGはCGであることがわからないと意味がない?
テレビCMを見ていると、多くの野外景色がじつはCGです。永く映像の世界で生きてきた我々の世代が視ると、CGでリアルを狙って描かれた風景は、ディテールも色彩も現実世界には無いものとして、極端に言えば「興醒め」です。もちろん全く差異なく制作されていたら、それに気づいていない可能性はあります。でもそういう映像は少ないでしょう。だって、CGを制作する人はCG映像であることをわかってもらえない仕事をしても、やり甲斐がないから・・・。
映像は写実的であるべき
などと馬鹿なことは言わないけれど、写実を描こうとしてつくられたCG世界は、実写のそれよりは「劣る」もので、映像への没入感や感情の高揚は少なくなる・・・というのが、僕らの世代の常識です。
しかし、若い世代であるほど、リアル系CGで描かれた世界観と実写の映像との差異が気にならない傾向があるように感じます。「それはそれよ」と理解しているようです。あるいは、差異が見えていないのかも知れません。いずれにせよ、そう大きな問題ではないみたいです。
新緑真っ盛り
今は4月も後半に入り、例年ならば春を描くシーンとして、あるいは建物を美しい背景で撮るのにうってつけの季節・・・そう新緑の季節に入っています。クリアな青空と小高い山の懐の緑の木々というのは、ほんとうに清々しい風景です。それを撮った映像もほんとうに気持ちが良いカット、シーンとなります。
最近はあまり新緑、新緑と騒がなくなりました
カメラの解像度は以前の数十倍にもなった上に、スチール写真さながらに色を調整できてしまうからでしょう。
でも、でもですよ、「グレーディング」と言うのだそうですが、この色を調整してしまう作業。一眼カメラで撮った高精細映像などでは常識的に行う作業ですが、ちょっとやり過ぎだと思うんです。
ぱっと見はたしかに「ハッ」とするのですが、すぐに「やけに全体的にカラフルだなあ」「やけに桜が桃色だなあ」と気づきます。ひとつの色だけを綺麗に見せるというのは難しい調整なので、だいたいが全体的に鮮やかになっています。なので視ているとそのうち「くどく」なってきます。僕らからするとCGを見ているような気分になってきて、リアリティがなくて、嫌気が差してくるんです。
自然なカラーでお願いしますよー。
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