撮影には時間が掛かる
初めて映像制作を発注されるお客さんが、まず驚くのは撮影にものすごく時間が掛かることです。10分の映像なら、1時間くらいで終了するだろう!?
さすがにそれほど短い予想をする人はいませんが、せいぜい半日もあれば終わるだろうと思われることが多いものです。
PR動画・映像1本の作品のカット数
10分の映像を完成させるためには、1カット5秒でも120カット、3秒なら200カットです。現実には1カットにも長短あるのでだいたい130カット以上の素材(OKテイク)を収録しなくてはなりません。
「よーい、スタート!」
「はい、カット」
「もういちどお願いします。よーい、スタート!」
「あ、すみません、今、目を瞑りましたよね。では、もう1回・・・」
なんて、やっていると1カットに10分掛かることもザラで、上手くいかないと30分とか1時間でも掛かってしまうのが、撮影という作業です。
10分の映像のための素材を収録し終えるには、企画によっては2日、3日まるまる撮影し続けることもある・・・それが私達の仕事です。
今のでダメなの?
どう見ても問題なさそうなテイク(撮影)だったのに、ディレクターは「はい、もう一回」とか言っています。「何がダメなの?」そんなことも訊きにくいような緊迫した空気に、ただ黙って立ち会っているのですが・・・。「もうすぐ18時・・・、もう終業時間なのに・・・」「残業かあ!?」とお客さんは段々苛だってきます。
よくある現象です。
ディレクターは良かれと思っている
良い映像を撮影して、良い映像をつくろうとしているのは、すべからく「お客さんのため」と考えているのですが、その熱意が独りよがりな空気を生み出して、まわりのスタッフさえ「もういいでしょうに・・・」となることも時にあります。ただし、イメージ通りのカットが撮影できないと、編集でやろうとしていることができない・・・、そんな切実な責任を負っているのがディレクターなので、いくらかは優しく見ていただだけたら幸いなのですが・・・。
プロデューサーの仕事
ディレクターやカメラマンが、どうして時間を掛けているか、現場にいるプロデューサーは、その理由はもちろん分かっていなければなりません。プロデューサーが「どうしてこんなに時間掛けてるの?」なんて無責任なことでは困ります。状況把握は随時行い、必要に応じてお客さんに事情を説明し、必要に応じてお詫びもします。さらに強権発動して撮影を終了させるのも、プロデューサーの責任です。もちろん映像が成立するだけのカットを収録し終えていることは大前提です。ディレクターには、映像を成立させるための別な方法を指示します。
1カットの収録時間に影響する主な要素
カットの内容:
単純な人物のアップショットであれば数秒で済む場合もあれば、複雑な動きや背景との組み合わせが必要なカットであれば数分かかる場合もあります。
特殊効果やCG合成が必要なカットは、準備や調整に時間がかかるため、さらに時間がかかります。
撮影方法:
手持ちカメラで撮影するのか、三脚を使用して固定で撮影するのか、クレーンやドローンを使用するのかなど、撮影方法によって時間が大きく変わります。
多角的なアングルからの撮影が必要な場合は、カメラのセッティングや移動に時間がかかります。
現場の状況:
照明の調整、音響の確認、出演者の準備など、撮影前の準備に時間がかかる場合があります。
天候や場所によっては、撮影が中断される可能性もあり、予定よりも時間がかかることがあります。
撮影本数:
撮影するカット数が多いほど、全体的な撮影時間が長くなります。
カット数が少ない場合は、1カットあたりの撮影時間を長く取ることができる場合があります。
企業PR動画の撮影における1カットの収録時間は、様々な要因によって異なります。事前に綿密な計画を立て、効率的な撮影方法を検討することで、撮影時間を短縮し、コスト削減につなげることができます。
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