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Tomizo Jinno

ぴこぴこ歩く幼児と小動物

動物を扱ったバラエティ番組では、子犬や子猫が拙い様子で歩くと、必ずと言っていいほど「ぴこぴこ」とか「きゅっきゅっ」といった効果音(Sound Effect = S.E.)が聞こえてきます。どうしてこういう効果音がつけられるようになったと思いますか?




「笛付き靴」


幼児用の靴に「音が鳴る靴」という靴があります。これは子供が歩く練習をする際に、音のフィードバックによって、自分の動きを意識し、歩行の学習を促進する効果が期待するものです。多くの大人が、可愛い装飾の靴の様子と、幼児の拙い足の運びに合わせて「きゅっきゅっ」と鳴る度に、思わず笑みを漏らした記憶があるでしょう。ですから、可愛い小動物の歩きにこの音が重なると、可愛かった我が子の歩みを思い出すのかも知れません。


ところで、こうしたS.E.はさまざまなテレビ番組で使用されますが、少々安易な使用も見受けら(聞き受け?)られ、批判の声も聞こえてきます。私たち企業映像制作の現場でも、インフォグラフィックでは数多くの擬音的?効果音が使用されていますが、私個人はMA担当者に「効果音は入れなくていいよ」と言っています。


多用される効果音に批判的な意見の例


不自然で現実感がなく、視聴者を馬鹿にしているように感じる

実際の状況と合致しない効果音は、視聴者の没入感を妨げ、番組全体の質を下げるという意見があります。


視聴者の判断を誘導する

効果音によって、視聴者が特定の場面で笑ったり、感動したりするように意図的に誘導されているという指摘もあります。


創造性を阻害する

効果音に頼りすぎることで、番組制作者の創造性が阻害され、画一的な番組が増えるという懸念も示されています。


視聴者の集中力を妨げる

効果音が多すぎると、かえって視聴者の集中力を散漫にしてしまい、内容が入ってこないという意見もあります。



批判的な意見が出される背景


効果音の乱用

近年、効果音の種類や量がますます増え、視聴者の中には、効果音過多に違和感を覚える人も少なくありません。


視聴者の多様化

視聴者の嗜好が多様化する中、一昔前の効果音に魅力を感じない層も増えてきています。


リアリティ番組の流行

視聴者がよりリアルな映像を求める傾向が高まる中で、人工的な効果音とのギャップが際立つようになっています。



効果音に対する肯定的な意見


一方で、効果音には以下のような肯定的な側面も指摘されています。


視聴者の感情を揺さぶり、番組を面白くする

効果音は、視聴者の感情を共感させ、番組への興味を引きつけます。


テンポ感を出し、番組の流れをスムーズにする

効果音は、番組のテンポ感を調整し、視聴者を飽きさせない役割を果たします。


特定の場面を強調する

効果音は、重要な場面を強調し、視聴者の記憶に残りやすくします。


ぴこぴこ歩く幼児と小動物
ぴこぴこ歩く幼児と小動物

私の意見


私個人は本来、音がしないものや事に自然界に無い音をつけることは、視聴者の想像力を信じていない感じがするし、押し付けがましい感じがして好きではありません。効果係が深く考えず、ただ自動的につけているような効果音には不快感すら感じます。

視聴者がそれぞれの想像力で映像から音を感じてもらえればいいと思います。

こうした感覚は、世代やこの仕事の経験の長さによって違うので仕方がありませんね。


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