古典的でスタンダード?
企業ビデオ(VP)が世の中に登場した頃からある古典的かつスタンダード?な構成手法に、レポータが会社や工場を訪問して「私は今、◯◯株式会社の△△工場にきています・・・」とやる方法があります。
この方法がクライアントにウケる理由
できあがる映像が概ね想像できる
言って欲しい、見せて欲しい事項を明確に指示できる
レポータの女性に会ってみたい?
プロダクションがこの方法を提案する理由
クライアントに説明しやすい
シナリオの作成が簡単
(予定したとおり取材できれば)編集が楽ちん
テレビ番組の取材みたいだからクライアントが喜ぶ
てなところでしょうか。テレビ番組系プロダクションだと、昔は半分以上がこの手法で提案して制作していた気がします。今ではさすがにこの手は通用しませんが。
何故シナリオ作成が簡単か
ちなみに、何故シナリオ作成が簡単かと言うと、シナリオには下記のように書くだけだからです。
「ここでレポータ、社長に話を聞く」
「ここでレポータ、商品について開発担当者に聞く」
と書けば、あとは現場でレポータと社員の方たち喋ってくれるから。
何故編集が楽なのか
また、何故編集が楽なのかと言うと、もうそれはOKカットを繋ぎ、せいぜいNG部分を削除していくだけだから、あれこれ迷ったり悩んだりしないからです。これは通常の編集に比べたら数分の1の時間で編集できます。
実はこのありがたい方法には大きな落とし穴が
俗にいう「同録」(同時録音)ですので、撮影現場でレポータやインタビューされた人が喋った話、言葉は録り直しが効きません(もちろん追加予算が貰えれば別です)。だから、編集した時点、試写をした時点で「あー、この言葉NG」となったら削除するしかありません。その部分が構成上肝要な部分だと、致命的な問題となってしまいます。
「事前に確認しておけば大丈夫じゃない?」と思われるでしょうが、後になって「これはマズかった」ということが大半の場合で発生するものなんです。
あまり好んで提案しません
ですから、B2Bの映像制作を主にしている制作会社は、この方法はあまり好んで提案することはありません。あるとすれば、相当に周到な事前打ち合わせで、喋る原稿の一字一句をクライアントが事前承認し、それを合意書類として残すような方法がとれる場合。ないしはクライントがもし「これ直して!」と言っても「できません!」とつき返せる相手であれば(例えば、友人の会社なので格安に請け負った、とか)提案することはあります。
テレビ番組風であることは、ひと昔前までは、それだけでクライントは喜び、視聴者は「すごーい」となったわけですが、今の時代ではむしろレトロな印象を感じてしまうのは僕だけでしょうか。
あ、でもこの企画をオーダーいただいたらやりますよ、もちろん。
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