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Tomizo Jinno

キャスティングオフィスと映像制作会社

一般の人でもいまは、キャスティングオフィスという存在を知っている人は多いでしょう。もともとは映画やテレビCM、テレビドラマ、舞台演劇などの世界から始まったビジネスですが、今ではSNS広告の拡大で、ネットのインフルエンサーや個人事業アイドルの手配まで含めた一大産業になりました。

オーディションを受けるモデル
オーディションを受けるモデル

タレントを必要とする制作会社や広告会社は、自分が知っている範囲で出演者を探すのはあまりに安易ですし、知らない人を起用するのは不安なことばかりです。そこで、キャスティングオフィスに依頼して、企画や条件に適したタレントを推挙してもらいます。キャスティングオフィスはさまざまな得意分野があり、例えばお笑い芸人が欲しい場合には、その筋に強いオフィスに依頼します。俳優、歌手、タレント、一芸タレント、インフルエンサーなど、企画が求める人材を、その筋が得意なキャスティングオフィスに依頼します。



自分で探さないの?


実際に自分でタレントを探してみるとわかりますが、まず知っている人(友人知人ではなくテレビで見たとかという範囲)の中から、候補をピックアップすると・・・


①連絡先がわからない

②出演NG事項がわからない

③スケジュールがわからない

④求めている演技などができるかわからない

⑤実際の本人の人柄がわからない

⑥コンプライアンス問題がないかわからない

⑦所属事務所の体制、体質、対応力がわからない

⑧そもそも企画に対して出演OKかわからない

etc…


という項目を次々にクリアしていかなくてはならず、ひとつでもNGならば、また初めから繰り返していくのは、あまりに手間暇がかかりすぎる作業です。さらには企画の成否、その根幹に関わるのが出演者ですから、ここで失敗できないプレッシャーは大きなものがあります。キャスティングオフィスがこの作業を肩代わりしてくれるのですから、少々予算がかさんでも依頼したくなります。キャスティングオフィスは得意分野の人材名簿と、その条件や近況を把握、常時情報更新をしていて、求める出演者に対してスピーディーに候補者リストを提案します。時にはタレントのキャンペーンなどとのタイアップの提案などもしてくれます。



キャスティングオフィスの仕事


1. 俳優や出演者の選定

映画、テレビ番組、CM、舞台などの作品に適した俳優や出演者を見つけ、選びます。


2. オーディションの実施

監督や制作者の要望に基づいて、オーディションを企画・実施します。


3. 人材データベースの管理

俳優や出演者の情報、スキル、経験などを含むデータベースを維持・更新します。


4. 制作側との連絡調整

制作会社や監督と密接に連携し、作品に最適な人材を提案します。


5. 契約交渉

選ばれた俳優や出演者と、出演条件や報酬などの交渉を行います。


6. 新人発掘

新しい才能を見つけ、育成することも重要な役割の一つです。


7. スケジュール管理

出演者のスケジュール調整や、撮影日程の調整を行います。


8. 法的手続きのサポート

必要に応じて、ビザの取得や労働許可証の手続きなどをサポートします。


キャスティングオフィスは、制作側と俳優・出演者の橋渡し役として機能し、作品の質や成功に大きく貢献します。適切なキャスティングは、作品の印象や興行成績に直接影響を与えるため、その役割は非常に重要です。日本のキャスティングオフィスの経営者については、

一般的に以下のような背景を持つ人々が多いと言えます。


1. 元芸能プロダクション関係者

芸能事務所で経験を積み、人脈やノウハウを活かして独立する人が多いです。


2. 元テレビ局プロデューサーや制作会社スタッフ

制作側の経験を持ち、業界の需要を深く理解している人たちです。


3. 元俳優や芸能人

芸能界での経験を活かし、演者の視点を理解した上で経営する例もあります。


4. 映像制作のベテラン

長年映像業界で働き、幅広い人脈とキャスティングのノウハウを持つ人々です。


5. 広告代理店出身者

CM制作などの経験から、キャスティングの重要性を理解して起業するケースもあります。


6. 芸能マネージメントの専門家

タレントマネージメントのスキルを活かして独立する人もいます。


7. 異業種からの参入者

まれですが、他業界から転身し、新しい視点でキャスティング業界に革新をもたらす人もいます。


これらの経営者は、多くの場合、以下のような特徴を持っています。


  • 広範な業界人脈

  • キャスティングに関する深い知識と経験

  • ビジネスセンスと経営能力

  • トレンドを読む力と先見性

  • コミュニケーション能力の高さ


ビジネス映像制作ではあまり利用することはない

日本のキャスティングオフィスは、個人経営の小規模なものから、大手芸能プロダクションの一部門として機能しているものまで様々です。経営者の背景や経験によって、それぞれのオフィスの特色や強みが異なることも多いようです。キャスティングオフィスを利用するには、相応のフィーも発生しますので、相応の予算案件である必要があります※。

またタレント側と交渉するには、その時点で企画内容(時には絵コンテ、セリフも)がほぼ固まっている必要があり、こうした制作案件の制作管理に手慣れた大手クライアント、広告代理店、映像制作会社であることが条件になります。

キャスティングオフィスとのお付き合いが多いのは、タレントを起用する映像制作(テレビ番組、ネットドラマ、CMなど)を得意とするプロダクションです。

※インフルエンサーのキャスティングなどは除く

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