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Tomizo Jinno

クリエーターは報われたい

知り合いや友人からの依頼

先回の「プロカメラマンを舐めるなよ!」にも書いたように、映像制作業をやっていると、写真撮影とかホームページ制作だとかを知り合いに頼まれることがあります。会社では本業である映像制作以外は原則引き受けない主義ですが、個人的には「僕はその方面では素人ですよ」と断った上で引き受けることは、ままあります。

 

もちろん素人というのは謙遜のつもり。いくらか門外であっても、自分の知見を持って一定以上の価値を提供できる自信があることだけ引き受けます。

そして、たまには無償で引き受けることもあります。

 

プロがタダで仕事をするとろくなことはない

以前このブログで「プロに無償で仕事を頼んではいけないのか!?」という記事を書いたことがありますが、こうした無償の仕事を引き受けると、往々にしてクリエーターは傷つき、発注者との人間関係が壊れてしまうことが多いものです。

でも、僕はあまり傷つきません。

なぜか。

それは「そういうことになる」ことをよく知っているからです。だから、いまだにボランティアでイベントの広報を手伝ったりしています。

 

なぜクリエーターは傷つきやすいのか

知っていると傷つかない(きにくい)ことを説明する前に、なぜ無償の仕事をするとクリエーターは傷つくことが多いのかを端的に説明しましょう。

 

クリエーターの仕事は、

ギャラが安いほど「思い入れ」は強いからです。

 誤解しないでくださいね、あたりまえですがギャラがいい仕事のほうが思い入れの総量は遥かに多いです、普通は。無償の仕事は簡単に言えば、只でもやってみたいと思うくらい、やってみたかった仕事。金銭的には少なくとも、自己満足を大きな報酬と思って引き受ける仕事です。

 

少しでも想像力がある人ならば、ここでその「只の仕事」をくれた人と、クリエーターの思惑が180°相反してしまうことにお気づきでしょう。気付かない人は注意してください。あなたは不用意に人を傷つけている危険性があります。

 

誰でもやってしまう、あるまちがい

誰でも知人、友人に「ある筋のプロ」がいて、1度や2度は何か仕事を頼んだことがあるでしょう。例えば大工さんとか自動車の修理屋さんとか・・・。

その時あなたは言わなかった(思わなかった)でしょうか。

「安くやってもらうんだから、適当でいいからね。手間とらせたら悪いから」

「(いくらか支払う場合、内心)仕事回してやってんだからありがたいだろ。」

なーんて。

 

適当な仕事をするプロはいない

どんな職業であろうと、その道の職人ならば信用問題なんだから「適当な仕事」なんて有り得ません。また、じつは知り合いがくれた仕事ほど面倒くさくて、ぜんぜんありがたくないこと、誰でも経験あるのではないでしょうか。

 

クリエイティブワークだって「適当な仕事加減」なんてありません。そんなことをしたら本業の信用が傷つきます。

友達の頼みだから、面倒になることはわかっていても引き受けてあげてることが多いのです。

でも引き受けた以上、喜んでもらえるように頑張るのだから、それも無償でやるんだから、頼んできた人に喜んで貰えなかったら、何の為にやっているのかわからないですよね?

 

あなたのためとは限らないことも多い

さらには、その作業は決して頼んできた人のためでなく、世の中にムーブメントを起こしたいという情熱で引き受けることも多いものです。そんな壮大な夢を抱いているクリエーターに、「適当に」などとは言ってはいけません。

 

永遠に交わらない虚しい想い

かくして「適当にね!と言う依頼人と、「いい仕事にしないと、まったく何の為にやったのかわからないクリエーター」は、永遠に気持ちが交わらないのです。

 

以前書きましたが「著作人格権」については、むしろこうした案件の場合こそ尊重してもらわないと、クリエーターは全く報われないということも、想像力があるあなたならばお分かりいただけるでしょう。

 

ではなぜ僕は傷つかないか。

それは、世の中そんなもんだということを知っているからです。

他人の痛みに想像力が働かない人は世の中に一定数必ずいる。

そう思って割り切って臨めば、無用な軋轢を避けられます。

思い入れる範囲は限定しておくこと。

広げすぎると傷口は大きくなります。

本業に響きますので、無償の仕事はほどほどにしておきましょう。

クリエーターは報われたい
愛知・名古屋の映像制作会社なら株式会社映像設計です。

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