時間、場所が異なる、バラバラに撮影されたショット(カットと同義語。「切る」「削除」と混同するので今後はショットと書く)でありながら、ある事情について同一・類似であるショットを繋ぎ合わせることで、それらがひとつの意味をもつシーンになるつなぎ方をコンティニュイティ編集と呼びます。時間も空間も異なるショット同士がつながるにも関わらず、ある同一の関連性要素によって、その連続性が統一性ある意味をもつシーンに変わるのだから、人間の脳って不思議です。
(1)アイライン・マッチ
画面に映る人の目がある一定の方向(スクリーンの外)を見た後、その視線と同一の角度で捉えた物のショットに切り替わると、その物はその人が見ていることになります。
(2)マッチ・カット
視聴者が気づく画面の中の1要素(形状であったり、物であったり、人であったり、動きであったり、変化であったり、なんでもOK)が、次のショットに連続していることによって、視覚的にスムーズである(気持ちいい、リズムが出る)と同時に、時空を超えた意味の繋がりを表現できます。ある意味で、この項の(1)(3)(4)どれもがマッチ・カットとも言えます。
(3)アクションつなぎ
これは映像編集を覚えはじめると、まず誰もが最初に使ってみる技巧ではないでしょうか。一連の動作や工程を撮影したのだけれど、ひとつの角度から撮ったショットではコンプリートしない。けれど、別の角度から撮ったショットと合わせればコンプリートする・・・なんてときに、そのショットの中にあるアクションの瞬間に、ショットを切り替えたりします。あと、下のようなインパクトの瞬間を連続させるやつ、気持ちいいからついやってしまいます。。
(4) コンスタント・ダイレクション
画面の中を移動する人や物を動きの方向性を一致させて繋ぐことを言います。単なる1シーンにもなりますが、サイズや被写体が違っていれば、さまざまな意味が生まれます。・・・
とこうして書いていると、思うのですが・・・。
こうした用語って、ほとんどの映像編集マンは使わないと思います。人は話すときに文法を用いますが、誰も「次は逆説つなぎでいこうか」なんて考えないのと同様、次のショットは⚪︎⚪︎つなぎで行こうなどとは考えていません。ただ、いくつかのショットをとっかえひっかえ繋いで試す、その時間は文法を考えていると言えます。撮りあがった映像の中で作品を仕上げるという仕事をしている私たちは、手元にある素材をどう繋げばシナリオを実現させ、より効果的にストリーが進むのか、その最善策をいつも考えながら編集作業をしているだけです。
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