はじめに
4つのシチュエーションを想定して、映像制作会社がどのように見積書の作成・提案を行うべきか、具体的な手順とポイントを解説します。いずれの場合も、映像化するテーマ、ターゲット視聴者、媒体、希望尺は同一のものとします。この記事は映像制作会社の新人プロデューサーのためのマニュアルですが、クライアントの立場で読んでいただいても有意義な情報だと思います。ぜひご一読ください。
4つのパターン
Situation 1:予算枠と映像手法が決定している場合
手順:
仕様設定: 撮影日数、イラスト点数など、クライアントの要望に基づいた詳細な仕様を設定します。
見積書作成: 設定した仕様に基づき、具体的な費用を明記した見積書を作成します。
構成案作成 (オプション): 案件の実現性が高く、クライアントから要望があれば、A4 1ページ程度の構成案を作成します。
ポイント:
クライアントの要望を正確に把握し、それに沿った見積もりを作成することが重要です。
撮影条件に制限がある場合は、事前に確認し、仕様に反映させます。
Situation 2:予算枠はあるが、映像手法が未定の場合
手順:
最適な映像手法の選定: テーマ、媒体、尺、予算枠を総合的に判断し、最適な映像手法を複数提案します。
仕様設定: 各映像手法ごとに、詳細な仕様を設定します。
見積書作成: 各仕様に基づき、それぞれの見積書を作成します。
構成案作成 (オプション): クライアントから要望があれば、構成案を作成します。
ポイント:
クライアントの予算内で実現可能な複数の選択肢を提示することで、より最適な映像制作を進めることができます。
各映像手法のメリット・デメリットを明確に説明し、クライアントが適切な判断ができるよう支援します。
Situation 3:予算枠は未定だが、映像手法は決定している場合
手順:
最適な仕様設定: テーマ、媒体、尺、映像手法を考慮し、最適な仕様を設定します。
見積書作成: 設定した仕様に基づき、見積書を作成します。
注意: 希望する映像手法によっては、見積金額が大幅に高くなる可能性があることを事前に伝えておきます。
ポイント:
クライアントの希望する映像手法を実現するために必要な費用を明確にすることが重要です。
予算の範囲内で実現可能な範囲を提案し、クライアントと協力して最適なソリューションを模索します。
Situation 4:予算枠も映像手法も未定の場合
手順:
最適な映像手法の選定: テーマ、媒体、尺を考慮し、最適な映像手法を複数提案します。
仕様設定: 各映像手法ごとに、詳細な仕様を設定します。
見積書作成: 各仕様に基づき、それぞれの見積書を作成します。
構成案作成 (オプション): クライアントから要望があれば、構成案を作成します。
ポイント:
クライアントの要望を最大限に引き出し、最適な映像作品を作り上げるための提案を行います。
さまざまな角度から検討し、クライアントにとって最も効果的なソリューションを提案します。
構成案について
構成案は、シナリオ作成前の段階で、映像全体の枠組みをまとめたものです。クライアントから提供された会社情報、商品・サービスの詳細、ターゲット層など、具体的な情報を基に作成します。構成案を作成することで、クライアントと制作側のイメージを共有し、よりスムーズな制作進行が可能になります。
構成案作成に必要な情報:
会社情報
商品・サービスの詳細(概要、特徴、ターゲット層など)
映像化したいテーマ
媒体
希望尺
予算枠(概算)
構成案の作成期間:
構成案の作成には、企画・仕様の幅を想定する必要があるため、ある程度の時間を要します。クライアントには、事前に作成期間を伝えておくことが重要です。
まとめ
映像制作の見積もり作成・提案は、クライアントの要望を正確に把握し、最適なソリューションを提案することが重要です。紹介した4つのパターンを参考に、クライアントとのコミュニケーションを密に行い、満足度の高い映像制作を目指しましょう。
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