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Tomizo Jinno

ビジネス動画制作のクライアントコミュニケーション

コミュニケーションは承認手続き


ビジネス動画・映像制作工程において、クライアントと制作会社のコミュニケーションの機会は多項目にわたり、制作期間中継続します。そしてそれぞれの機会を経ることは、ビジネス取引の「承認手続き」でもあります。では、具体的にどんなコミュニケーションと承認が行われるかみていきましょう。


機会(1)

シナリオハンティング(ロケーションハンティング)


シナリオ(台本・脚本)を書くにあたり、現場を下見します。

実際に撮影可能なものであるかを確認しながら、さらに様々な作業、業務の流れや意味、目的などを伺いながら、ご一緒に見て回らせてください。企画制作の前提となるオリエンテーションの機会でもあります。


 (機会2)

シナリオ提案・見積書提出・スケジュール提出


シナリオには「映像の内容を説明した欄」と「ナレーション」(+効果音、音楽など)の欄があり、それぞれを対応させながら映像+音声の流れを理解できるようにしてあります。シナリオの作成は映像の成否を決する重要な設計図作成作業です。2度、3度のやりとりで、ご発注者である御社の意向を100%反映した満足のいくものにします。

多くの案件では事前に総額の予算を取り決めてからシナリオ制作に入りますが、本来は予算はシナリオに沿って計算し、この段階で見積書として提案します。先に予算が決まっている場合には、シナリオの内容は予算を考慮しながら書き進めています。

この段階で、併せてスムーズにいった場合の想定スケジュール表を添付します。


  (機会3)

撮影段取り打ち合わせ・制作スケジュール確定


実際には、シナリオの打ち合わせをしながら同時進行的に撮影の要領を打ち合わせしていきますが、シナリオが完成した段階で、具体的な日程の調整をします。ここで初めて、正確な全体スケジュールが決まります。多くの案件では先に納期が決まっていますので、納期までに撮影可能なシナリオをつくっておくことも大切です。

 

 (機会4)

撮影


撮影は必ずお立会いいただき、被写体や周辺環境など、映像化に問題があるものの有無などのを確認いただきながら進めます。

 

 (機会5)

映像試写


撮影終了した素材とグラフィックス素材(CGやアニメーション)を使って、編集したものをご覧いただきます。この段階では、ナレーションはディレクターの声による「仮ナレーション」です。音楽は入れてあります。

この段階も2度、3度行い、ご意向を正しく反映した映像に仕上げていきます。

 

 (機会6)

ナレーション録音


完成した映像を見ながら、映像のタイミングに合わせてナレーションを録音します。

ナレーション録音の段階に入ってからの映像の変更は、ご予算、納期についても変更になります。

 

 (機会7)

納品


ご要望のデータ形式で納品します。

現在、通常の制作業務では撮影、編集はフルハイビジョン(1,920×1,080ピクセル)で行っています。データDVD盤には、動画ファイル(1,920×1,080ピクセル H264 .mp4)がそのまま収容可能ですが、DVD-videoは、解像度は853×480ピクセルに減少しますので、ご注意下さい。

最近では4Kで撮影することも増えてきましたが、未だメディアが普及していないため、大型映像装置を使った展示映像やテレビ番組において利用され始めている段階です。 

ビジネス動画制作のクライアントコミュニケーション

ポイント


1. 目的の共有とズレの防止

  • 映像制作の目的: 企業が映像制作に求める目的は、ブランドイメージ向上、製品・サービスのPR、採用活動など多岐にわたります。発注者と制作者が共通の目的を明確に共有することで、制作の方向性が定まり、最終的に出来上がる映像が期待と大きく乖離してしまうことを防ぎます。

  • ターゲット層の明確化: 映像を見るのは誰なのか?ターゲット層を明確にすることで、映像の内容や表現方法を適切に調整することができます。この点においても、双方の意見交換が不可欠です。


2. 企業イメージの正確な伝達

  • 企業理念や価値観: 企業の理念や価値観は、映像の中に自然に溶け込むべきものです。発注者から直接、企業の想いや伝えたいことを聞き出すことで、映像に深みと説得力を与えることができます。

  • ブランドアイデンティティ: 企業のロゴ、カラー、フォントなど、視覚的なアイデンティティは、映像制作において重要な要素です。これらの要素を映像に適切に組み込むためには、発注者との密な連携が必要です。


3. クリエイティブなアイデアの創出

  • 発想の多様化: 発注者のアイデアと制作者のクリエイティブな発想が融合することで、より斬新で印象的な映像が誕生します。

  • フィードバックの重要性: 制作過程におけるフィードバックを通じて、より良いアイデアが生まれ、映像のクオリティ向上に繋がります。


4. スケジュール管理とコスト管理

  • 納期の調整: 映像の完成までに必要な時間、各工程にかかる時間などを明確にすることで、スケジュール管理を円滑に進めることができます。

  • 予算の調整: 映像制作には、撮影、編集、音楽など、様々な費用がかかります。予算内で最大限の効果を出すためには、発注者と制作者が協力してコスト管理を行う必要があります。


5. トラブル防止

  • 認識のずれの解消: 制作中に、発注者と制作者の間で認識のずれが生じる場合があります。こまめなコミュニケーションを取ることで、このようなトラブルを未然に防ぐことができます。

  • 品質の担保: 制作過程で出てきた問題点や改善点などを共有し、最終的に高品質な映像に仕上げることができます。


6. 信頼関係の構築

  • 長期的な関係構築: 映像制作は、一度きりの関係ではなく、長期的なパートナーシップを築くことが重要です。良好なコミュニケーションを通じて、信頼関係を構築することで、今後のコラボレーションに繋がります。



まとめ


企業PR映像制作は、単に映像を作るだけではなく、企業の想いやブランドイメージを効果的に伝えるための総合的なコミュニケーション活動です。発注者と制作者が密に連携し、互いの意見を尊重しながら制作を進めることが、成功の鍵となります。

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