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プロパガンダ映画と確証バイアス

映像制作者は、人間がもつ「認知バイアス」「確証バイアス」について深く理解して、平和で幸福な社会の実現に奉仕するべきだと、私は考えています。


プロパガンダ映画とは


特定の思想や主張を世間に広めるために制作された映画です。感情に訴えかけたり、単純化されたメッセージを繰り返し発信することで、視聴者に特定の行動や思考を促すことを目的としています。


確証バイアスとは


確証バイアスとは、自分がすでに持っている信念や仮説を支持する情報ばかりに注目し、それとは異なる情報や証拠を無視してしまう認知バイアスのことです。人は、自分の考えが正しいと信じたいという心理から、このバイアスに陥りやすい傾向があります。


プロパガンダ映画と確証バイアスの関係


プロパガンダ映画は、視聴者の確証バイアスを巧みに利用して、その思想や主張をより効果的に浸透させようとします。


  • 共感と一体感の醸成: プロパガンダ映画は、視聴者の既存の価値観や感情に共感できるようなストーリーやキャラクターを描き、視聴者と一体感を生み出します。これにより、視聴者は映画の内容を「自分にとって正しい」と確信しやすくなります。


  • 単純化されたメッセージの繰り返し: プロパガンダ映画は、複雑な問題を単純化し、覚えやすいスローガンやキャッチフレーズを繰り返し使用します。これにより、視聴者はそのメッセージを深く考えずに受け入れてしまい、確証バイアスを強化します。


  • 対立勢力の悪意の強調: プロパガンダ映画は、対立勢力の悪意や非合理性を強調し、視聴者を敵対心や恐怖心に駆り立てます。これにより、視聴者は自分たちの考えがいかに正しく、対立勢力の考えがいかに間違っているかを確信しやすくなります。


  • 情報の選択と歪曲: プロパガンダ映画は、自分たちの主張を裏付ける情報だけを選択的に提示し、反対意見や異なる視点からの情報は意図的に隠蔽したり歪曲したりします。これにより、視聴者は偏った情報しか得られず、確証バイアスをさらに強固なものにします。


プロパガンダ映画の影響


プロパガンダ映画は、個人の思考や行動に大きな影響を与える可能性があります。


  • 特定の思想への傾倒: プロパガンダ映画を繰り返し視聴することで、視聴者は特定の思想や主張に深く傾倒し、他の意見を受け入れにくくなる可能性があります。


  • 偏見や差別感情の助長: プロパガンダ映画は、特定の集団に対する偏見や差別感情を助長する可能性があります。


  • 社会全体の分断: プロパガンダ映画は、社会全体の分断を招き、対立を激化させる可能性があります。


確証バイアスを克服するために


プロパガンダ映画の影響を避けるためには、確証バイアスを克服する努力が重要です。


  • 多様な情報源に触れる: 異なる視点からの情報に積極的に触れ、自分の考えを検証することが大切です。


  • 批判的思考を養う: 情報の真偽を冷静に判断し、論理的な思考に基づいて判断を下すことが重要です。


  • 他者との対話: 異なる意見を持つ人々と対話し、お互いの考えを理解し合うことが重要です。


警鐘


インターネット上の情報は、ユーザーごとにパーソナライズされています。ニュースの見出しの連続は「意向に沿った単純化されたメッセージの繰り返し」に他なりません。そこには意図する主体は存在しないものの、「いいね」を集める多数決によって集約された意図に支配されつづけています。これはまさにプロパガンダ。

インターネットがもたらす確証バイアスの罠に気づく人はどれほどいるのでしょう。現代人の思想は、今後どんな結末を迎えるのでしょうか。

日本の地方都市・名古屋に住むいち映像制作者にすぎませんが、インターネットがもたらす負の面について、私は今後も発信していきたいと思っています。

プロパガンダ映画と確証バイアス


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