少し前に「プロとアマを隔てるのは・・・」という記事を書きました。その時に触れなかったけれど、機材のことは、プロとアマを隔てる大きなテーマであることは確かです。映像機器のランク分けは「プロ用」「業務用」「民生用」というのが、少し前までは明確でしたが、今はプロ用が遥か彼方の高額機器としてあるものの、業務用と民生用の区別は明確でなくなり、業務機も映像を生業としない人でも購入できてしまうレベルになってきました。
プロはプロ用機器を使うべきだと思います。重箱の隅をつついても、寸分のスキもない映像制作には、数千万円、数億円という機材が注ぎ込まれる現場は今でもあります。
けれどNHK大河ドラマ4Kで使うような機材で、BtoB映像制作をして採算がとれる仕事をしているのは、東京の一部のプロダクションくらいではないでしょうか。
地方にそんな予算の仕事はありません。
でも正直に書きますが、数千万円のビデオカメラで撮った映像と、アイフォンで撮った映像を見分けられる人は、数千万円のカメラを使っている人だけです。それこそ「NHK8K」みたいなチャンネル番組は、映像の画質こそがその番組の価値を決める要素ですが、一般企業が普通の社業のPRのためにつくる映像は、50万円のカメラで撮っても、ほとんどの場合、問題ありません。それこそ、今はGoProとか360°カメラとか、数万円で購入できるカメラで、映像バリエーションを増やし、そういう機材で非常におもしろい映像作品をつくるのがアタリマエになっています。
プロダクションは「撮影」が仕事?
いえ、映像コンテンツという「ソフトウエア」をクリエイトすることが仕事です。撮影機材・撮影技術はその手段のひとつであって、コンテンツの質の大きな部分を決めているのはむしろ、「企画・制作」という頭脳・マネージメントワークです。これらにこそ、我々の仕事の本質があることを、僕は声を大にして言いたいと思います。
機材の難しい話をしてお客さんを驚かせるのは、昔しの映像マン。今の映像技術はもっとヤサシイ技術です。
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