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Tomizo Jinno

企業PR映像編集の修正依頼でディレクターが困る10のケース

私はディレクターも編集もすることがありますので、私自身の本音であることは認めます。ただし、私はプロデューサーでもありますから、クライアントから要請されることはすべて正しいという前提に立って、クライアントに理解を求めながら、より進化した作品に仕上がるよう軌道修正するようにしています。

ただ、ディレクターに専念しているスタッフから見れば、クライアントの意向に無理があれば、それはプロデューサーが解決すべきことですので、私自身の自戒を込めて考えてみます。




すべてはクライアントのため


企業PR映像の編集は、クライアントの意向を反映しつつ、最大限に効果を発揮できる作品を作り上げるための緻密な作業です。しかし、クライアントからの修正依頼の中には、ディレクターが「それは困る!」と感じるケースも少なくありません。


1. 完成直前の大幅な変更要求


  • 問題点: 既に完成間近の段階で、全体の構成やコンセプトを根本から変えるような大幅な変更要求が出されると、納期が大幅に遅れる可能性が高まります。また、一度完成した映像の品質を維持することが難しくなる場合もあります。


  • ディレクターの視点: 大幅な変更は、これまでの作業が無駄になるだけでなく、全体のバランスが崩れてしまう恐れがあります。



2. 明確な根拠のない変更要求


  • 問題点: 「なんとなく違う」「もっと良くできるはず」といった、具体的な根拠のない変更要求は、ディレクターにとって対応が難しいです。


  • ディレクターの視点: 具体的な改善点や、変更によってどのような効果が得られるのかを明確にしてもらうことで、より良い作品に仕上げることができます。



3. 複数の関係者からの異なる意見


  • 問題点: 複数の関係者から、それぞれ異なる意見や要望が出される場合、ディレクターはどの意見を優先すべきか判断に迷います。


  • ディレクターの視点: 関係者間で意見をすり合わせ、一つの方向性へ集約してもらう必要があります。



4. 予算や時間の制約を無視した要求


  • 問題点: 追加の撮影や編集作業が必要となるような変更要求は、予算や時間の制約を超えてしまう可能性があります。


  • ディレクターの視点: 予算や時間内で実現可能な範囲を明確にし、クライアントと合意する必要があります。



5. 技術的に実現不可能な要求


  • 問題点: 特殊な効果や表現など、技術的に実現不可能な要求が出される場合があります。


  • ディレクターの視点: クライアントの要望を最大限に尊重しつつ、技術的な制約を説明し、代替案を提案する必要があります。

映像企業PR映像編集の修正依頼でディレクターが困る10のケース
映像企業PR映像編集の修正依頼でディレクターが困る10のケース


6. 個人的な好みや感覚に基づく要求


  • 問題点: 映像表現は、個人的な好みや感覚が大きく左右されるものです。しかし、企業PR映像は、企業のイメージやメッセージを効果的に伝えることが目的であり、個人的な好み一辺倒な要求は、必ずしも適切とは言えません。


  • ディレクターの視点: 映像表現の意図や、ターゲット層への訴求効果などを説明し、理解を求める必要があります。



7. 競合他社の映像をそのまま模倣したい


  • 問題点: 競合他社の映像をそのまま模倣することは、オリジナリティがなく、自社の魅力を十分にアピールできない可能性があります。


  • ディレクターの視点: 自社の強みや特徴を最大限に活かした、オリジナル性の高い映像を提案する必要があります。



8. 過去の成功事例に固執する


  • 問題点: 過去の成功事例に固執し、新しい試みを拒むクライアントもいます。


  • ディレクターの視点: 時代の変化やターゲット層の変化に対応するためには、新しい表現方法や手法を取り入れることが重要です。



9. クライアントの役職や権限に基づいた一方的な要求


  • 問題点: クライアントの役職や権限に基づいて、根拠のない要求が突きつけられることがあります。


  • ディレクターの視点: 映像制作のプロフェッショナルとしての意見を尊重してもらい、建設的な議論を進める必要があります。



10. 納期直前の細かい修正要求


  • 問題点: 納期直前に、細かい修正要求が集中すると、ディレクターは十分な時間を確保できず、品質が低下する可能性があります。


  • ディレクターの視点: できる限り早い段階で、修正箇所を洗い出し、対応を進める必要があります。


これらのケース以外にも、ディレクターが困る状況は様々です。重要なのは、クライアントと密にコミュニケーションを取り、お互いの意見を尊重しながら、より良い作品を作り上げることです。


ディレクターがクライアントに求めること


  • 具体的な改善点: 「なんとなく違う」ではなく、具体的にどこをどのように修正したいのかを明確にする。

  • 根拠: 変更によって、どのような効果が得られるのか、根拠を説明する。

  • 優先順位: 複数の変更点がある場合は、優先順位を明確にする。

  • 柔軟性: ディレクターの提案にも耳を傾け、柔軟に対応する。


ディレクターが心がけるべきこと


  • 丁寧な説明: 技術的な内容も、クライアントが理解できるように分かりやすく説明する。

  • 提案力: クライアントの要望を踏まえ、より良い作品にするための提案をする。

  • 交渉力: 予算や時間などの制約の中で、クライアントと交渉し、最適な解決策を見つける。

  • 冷静さ: クライアントからの厳しい要求にも冷静に対応し、プロとしての姿勢を貫く。


まとめ


企業PR映像の編集は、クライアントとディレクターの共同作業です。お互いの意見を尊重し、協力することで、より良い作品を作り上げることができます。上記で挙げたケースを参考に、クライアントとのコミュニケーションを円滑に進め、最高のPR映像を制作したいものです。


今は一般の人が目にする動画も多種多様な表現がされていて、人ぞれぞれの評価があります。個人の価値観と企業としてのコミュニケーションを明確に分けることは事実上困難でしょう。私たち映像制作者は、多様な表現の中でなぜその表現を選択するのかを、明確に説明できるエビデンスと論理を持っていることが求められます。 ▶︎動画・映像制作用語集

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