「とにかくできるだけ短く」
近年、映像制作の打合せに出向きますと、お客様にこう言われることが多くなりました。「長いものは絶対に見ませんから」とも。
たしかに、ネット上に上がっている動画を見ると、長くて3−5分程度ものが殆どですし、僕自身クリックしても最後まで視聴するタイトルはめったにありません。
こうした経験はだれもが同様なので、いざ自分が映像(動画)を企画制作する立場にたつと、どうしても「映像は短くないと見てもらえない」と思い込んでしまうようです。
果たしてそうでしょうか?
ネットサーフィンをしている途上で見かける動画をクリックするのは、サムネイルの画像やキャッチコピーに釣られるからではありませんか?いざクリックしてみると、思った内容と違うことが殆どなので、途中で視聴をやめてしまうのは当たり前のことです。
また、期待通りの内容であっても、映像の品位や表現が好みでなければ、これも視聴を止め、もっと適切で好みの映像を探してみるでしょう。
B2CとB2Bでは視聴動機が全く違う(ことが多い)
もしお客様がB2C(企業to消費者)の動画制作を企画されているならば、ネット上での拡散を第一に意図して、確かに動画はできるだけ短く、端的にメッセージを伝える必要があります。しかし動画制作の目的がB2B(企業to企業 / ビジネスtoビジネス)の場合、たとえWEB動画であっても、視聴して欲しい対象者、視聴するであろう人たちは、もともとあなたの企業や商品に興味や知識があってサムネイルやタイトルをクリックする人たちです。
「知りたいことが入っていない」
あまりに短い映像ではむしろ不満を感じるのではないでしょうか(動画をランディングページへの誘導用にする場合は別です)。
ビジネス目的の視聴者はもともと動機があって視聴する
さらにWebにアップしないB2B映像は、対象者を部屋に集めて上映したり、DVDを渡して視聴してもらう動画です。つまり視聴者はもともと視聴意欲を持っているか、強制されて(!?)見るわけなので、動画の内容を短くすることよりも、過不足なく伝えたい情報やメッセージが視聴者に浸透することの方が重要です。
あきらめない
「最後まで見てくれない」から、と内容を諦めて短くするのではなく、必要な内容はしっかり入れて、最後まで興味を持って視聴される映像をつくることのほうが大切ではないでしょうか。
映像の制作費は決して安価なものではありません。僕は映像が有効に役立ってもらえるように企画を工夫し、ちょっと長くても最後まで視聴されるように映像化することが、制作会社の役割であり使命だと考えています。
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