動画・映像制作を行う会社が、自社が請け負う場合の料金相場について、以下のような表を載せている例を多くみかけます。こうした相場表をご覧になるときの注意点をご説明します。
(この表は当社のものではありません)
YouTube動画 3万円から50万円
商品PR,サービスPR 10万円から100万円
企業・学校・病院等案内ビデオ 30万円から300万円
採用動画 15万円150万円
セミナー・イベント動画 10万円から50万円
アニメ・インフォグラフィック 30万円から100万円
テレビCM 50万円から500万円
媒体によって制作費が異なることは原則的にありません
媒体がYouTubeだからいくら、DVDにして配布するからいくら、という違いは少額にとどまります。
例えばこのふたつの見積もり明細で異なるのは
・Webサイトへの掲載に掛かる作業費
・DVDのオーサリングに掛かる作業費(DVDの増刷、配布費用は除く)
これだけですから、ほぼ同額程度と考えられます。
DVDの解像度は一般的に720×480ピクセルですから、カメラや編集システムをそのレベルに落とせばコストも抑えられるかと言えば、むしろそうした機材は現役では動いていないので現実的ではありません。YouTubeに掲載する動画ファイルは一般的にはFHD(1,920×1,080ピクセル)ですので、最終的にDVDにするコンテンツの制作工程はYouTube向けと同等の機材、スタッフで行い、最終的なオーサリング時にダウンコンバート(解像度を下げる)します。
動画・映像コンテンツの制作見積書は各工程費用(機材費、人件費、技術費)の積算
コンテンツの使用媒体や完成尺はとは原則的に無関係に計算されます。(完成尺が予算合計に大きく影響する映像ジャンルもあります。長尺の記録映像やセミナー動画など)
テレビCM、テレビ番組、劇場映画は?
これらの制作予算は、一般的にYouTube動画の制作費よりも高額ですが、YouTubeと同等の予算で制作したコンテンツを放送したり放映できないかと言えば、そんなことはありません。媒体費を支払い、それぞれの媒体が決めているデータ仕様、倫理規定をクリアしていれば可能です。ただ、簡単に言えば「見劣りする」ので推奨されていないだけです。
媒体によって求められる洗練度が違い、洗練度にお金がかかる
テレビCMの場合、一般的に相応の「洗練度」が必要とされるため、そのために機材、スタッフ、技能が潤沢に投じられると考えてください。媒体によって求められる洗練度が異なり、それが媒体による相場の違いに反映されています。洗練度とは実際のところ主観的な判断ですので、媒体に求められる洗練度に関する考え方も人によって異なることに注意が必要です。
尺による料金基準も原則あてはまらない
15秒のCMのためにタレントを出演させたり、海外ロケを挙行すれば、それに掛かる費用が掛かるように、3分の動画に必要な映像を3日で撮影することもありますし、10分の映像に必要な映像を1日で撮影する場合もあります。また近年流行している編集技法ですと1秒1カットというコンテンツがあります。このタイプの編集をするためには1分の完成版に対して60カットが必要です。逆に10分のコンテンツを130カットで構成するような編集もたくさんあります。
料金相場表の正しい?見方
①相場に幅(〜)がある場合は、ミニマムとマックスは稀な例
②ミニマムは超短尺、マックスは長尺の相場かも知れない
③ミニマムではクライアント作業が多く、マックスはフルサービスかも知れない
④ミニマム、マックス共に現在の各ジャンルの動画コンテンツの予算例だと理解する
⑤有名プロダクション、老舗の制作会社は相場表のマックスがミニマム予算
⑥ミニマムは小企業クライアント予算、マックスは大企業クライアント予算かも知れない
⑦YouTube動画コンテンツにテレビCM品質を求めればテレビCM制作予算に
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