法人のお客様を専門に仕事をお請けするプロダクションは、お客様の窓口のご担当者が経験豊富であっても初めてでも、プロジェクトのスタート時点から、円滑で正確なコミュニケーションを構築することを第一に考えます。したがってご担当様の方がもし「不安」を抱えているとしたら、制作会社のプロデューサーが素早く解決しなくてはなりません。初めて動画制作・映像制作を外注するご担当者が抱える不安と、私たちの対応をご説明します。
専門用語が多くて何を聞けば良いか分からない
お客様がこの不安を感じた時点で、すでに担当プロデューサーは間違っています。映像制作のプロセスについてお客様にお話しする時に、経験豊富なプロデューサーは、業界人しか使わない専門用語を使いません。いくらか専門的だとしてもすでに一般化している言葉は、よく考えて使用します。もし、知らない専門用語を乱発し続けるようでしたら、むしろ経験が浅いスタッフと推察して、制作会社の上司に連絡して交代してもらいましょう。
【アドバイス】
意味がわからない用語を耳にしたら、すかさず「それはどういう意味ですか?」と聞きましょう。もし「そんなことも知らないのですか?」という顔をしたら、あなたはあなたの会社の専門用語をぶつけてみましょう。そして怪訝な顔をされたら「あなたはそんなことも知らずにうちの仕事をするつもりですか?」と言ってみてください。
イメージ通りのものができるか不安
発注時点で完成映像のイメージを持っているなんて素敵です。イメージを持っていなければ「イメージ通り」以前の問題だからです。構成原稿や絵コンテを書いて欲しいなんて言いません。他企業が公開している映像の中から類似の表現を見つけて、教えてください。いくつかの映像の「ここ」と「ここ」と「ここ」という言い方で構いません。この時大事なことは、同じ映像を見て話していても、見ていることろが違うことがあります。できるだけ言葉たくさんでコミュニケーションお願いします。プロデューサーが「なんか違うな」ということを言ったらすぐにツッコンでください。
予算内で収まるか心配
最初から予算を明確に伝え、その範囲内で可能な提案を求めましょう。これに尽きます。途中で追加注文的な要望をする時は「これは追加予算が要りますか?」と必ず尋ねましょう。訊かずに実行してしまうと、黙って請求書に上乗せしてくることがあります。そういう時は「追加が必要だとは聞いていない」と言ってみましょう。気が弱いプロデューサーなら引っ込めます。強気の人だと引っ込めません。必ず追加オーダーした時に確認するのが得策です。
納期に間に合わないのではないか
案件がスタートすると、制作会社は必ずスケジュール表をつくって提案してきますから、その表を見て、例えばシナリオのチェックバックの期間が短く、無理だと思ったらそこは指摘しましょう。そうして出来上がったスケジュールは、制作会社は何があっても遵守する義務があります。あなたが提案されたスケジュール案をみて「これは無理だなあ」と思ったのに黙っていて、案の定、社内の決済が遅れるということがあると、スケジュールはどんどん後にずれていきます。制作会社はスケジュール表通り進めているのに、発注企業側の理由で遅れる場合は、「納期がずれてもいいのだな」と解釈する場合がありますから、納期に不安を感じたらすぐさま相談しましょう。
品質が担保できるか
作品実績を見てプロダクションを選び、それと同じスタッフが同レベルの予算で取り組めば、大概は同レベルの映像が出来上がります。
途中で「なんか違うな」と思う場合は、正直にプロデューサーに言いましょう。
経験豊富なプロデューサーなら、あなたの不安の理由が理解できるはずです。
同時にそれが解決可能かどうかも冷静に判断できるはずです。
プロデューサーが「それは無理です」と言うなら、たぶん無理です。
そして、そのすれ違いが生じた理由も説明してくれるはずです。
多くの場合が、事前の擦り合わせのズレです。
もうひとつは制作工程が進む途上で、撮影対象や条件、シナリオの修正などが入り、品位が保てなくなることがあります。もちろん、そうした想定ズレから起こる品位低下については、プロデューサーは修正を言われた時点で指摘するはずですが、会社の承認を得るにはやむ負えないという判断が優先することが常です。
動画制作・映像制作ビジネス最大の課題
いずれも責任はプロデューサーがあなたを理解しきれていなかったこと、説明が伝わっていなかったにありますが、プロデューサーが「無理」という以上、その時点でできることは小手先の改善に留まる可能性が大です。最大限の歩み寄りで、よりイメージに近づけましょう。そして、次回は発注先を替えましょう。コミュニケーションの問題ですから性格的な相性も関係してきます。このビジネスが本質的に持つ課題です。
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