短いCM(15秒や30秒)、1分程度の単一シーンで構成される動画、または大企業向けの定型的な会社案内映像であれば、商品や企業名を置き換えるだけで「このような映像になります」とお見せできる場合があります。しかし、これら以外の映像では、類似作品をお見せすることは極めて困難です。
なぜ類似例を示せないのか?
単純に「存在しない」からです。これは、我々の実績が乏しいということではありません。数百、数千もの制作実績がある中でも、シリーズ作品でない限り、同じ構成、シナリオ、演出の作品はほとんど存在しないのです。各プロジェクトは、クライアントのニーズに合わせてカスタマイズされるため、常に独自性を持つのです。
代替案として
どうしてもサンプルが必要な場合、以下のような方法で対応することがあります:
作品Aを見せて「この構成を参考に...」
作品Bを見せて「このような演出で...」
作品Cを見せて「この編集技法を使って...」 このように、複数の作品の特徴を組み合わせてイメージを伝えます。ただし、この方法では双方のイメージにズレが生じやすく、正確な共有は困難です。
具体例:化粧品のPR映像制作
5分程度で商品特徴、使用法、使用後のイメージを伝える映像を例に取り、選択肢の多様性を説明します。
予算による制作方法の違い(10通り) 媒体、企業規模、目的によって、数千万円規模の高品質な制作から、数十万円規模の簡易的な制作まで、様々なグレードが存在します。
映像素材の選択(5通り) 実写、CG、アニメーション、スライドショーなど、多様な表現方法があります。
映像進行方法(5通り) 司会者による進行、ナレーション、ドラマ調、字幕のみなど、情報伝達の手法が異なります。
説明用図表・グラフィックの選択(5通り) 実物、CG、手書きイラストなど、視覚的説明の方法が多岐にわたります。
これらの要素を掛け合わせるだけでも、10×5×5×5=1,250通りの組み合わせが生まれます。当然、我々がこれだけの数の化粧品PR映像を制作しているわけではありません。
オリジナル企画の重要性
各クライアントの目的、商品特性、納期、予算に合わせて最適なプランを個別にカスタマイズするからこそ、「類似作品がない」状況が生まれます。これは、他社のために作った作品の安易な流用を避け、クライアント固有のニーズに真摯に向き合っている証でもあります。
このアプローチにより、クライアントにとって最も効果的で独自性のある映像制作が可能となるのです。
※この記事は2015年のものです。画像を差し替えて再掲しました。
現在ではYouTubeに掲載されている他社作品を例にとり「こんな感じでいかがですか?」とお話しします。他社事例を利用することは当時ではまだ許容されていないやり方でした。
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