「販売促進のためのPRビデオの企画について、自社WEBサイトの掲載するための動画と、営業マンが営業先に持参して相手に見せる動画の場合で、留意すべきことは?」とA.I.に尋ねたところ以下の回答を得ました。
WEB
ウェブサイト訪問者の注意span は比較的短いため、2-3分程度の簡潔な動画が効果的です。長すぎると視聴者が離脱してしまう可能性が高くなります。
対面
5-10分程度のより詳細な内容を含めることができます。ただし、相手の時間を考慮し、冗長にならないよう注意が必要です。
一見、常識的のように思いますが、A.I.は考えが浅いです。
WEBサイトに掲載する動画
視聴者の動機:
A.I.の回答は、WEBサイト訪問者の注意span が短いという前提に基づいています。しかし、実際には視聴者の動機によって大きく異なります。
偶然の訪問者:
YouTubeの「おすすめ」などで偶然目にした場合、確かに注意span は短く、短尺の動画が効果的かもしれません。
目的を持った訪問者:
特定の情報を求めてサイトを訪れた場合、視聴動機が明確です。このような視聴者は、興味を惹く情報が続く限り、長尺の動画でも視聴を続ける可能性が高いです。
コンテンツの質:
動画の長さよりも、提供する情報の質と関連性が重要です。視聴者の期待に応える内容であれば、必ずしも短尺である必要はありません。
視聴者のコミットメント:
長尺の動画を最後まで視聴した人は、そのトピックに強い関心を持っている可能性が高く、潜在的な顧客として価値があります。
対面での使用における動画
使用状況の多様性:
「対面」という状況も一様ではありません。以下のような異なるシナリオが考えられます。
a) 展示会での使用:
通りすがりの人も多いため、短尺で注目を集めやすい動画が効果的。
繰り返し再生されることを考慮し、飽きられにくい内容設計が必要。
b) 発表会での使用:
参加者は時間を確保して来ているため、比較的長尺の動画も受け入れられやすい。
詳細な情報提供が可能で、質疑応答の時間も考慮に入れるべき。
c) 個別訪問での使用:
相手の時間的制約を考慮し、短時間で核心を伝える必要がある。
柔軟性が求められ、状況に応じて一部のみ視聴してもらうなどの対応が必要。
視聴環境の考慮:
対面での視聴環境は、WEBサイトでの視聴と大きく異なります。集中して視聴できる環境か、外部の刺激が多い環境かによって、適切な動画の長さや内容が変わってきます。
インタラクションの可能性:
対面では、動画視聴後や途中でのインタラクションが可能です。これを考慮に入れた動画設計が効果的です。
カスタマイズの必要性:
対面での使用では、視聴者や状況に応じて動画をカスタマイズできる柔軟性が重要です。複数のバージョンを用意しておくことも検討すべきです。
結論
PRビデオの企画において、「こうあるべき」という固定観念は危険です。以下の要素を慎重に検討する必要があります:
視聴者のプロファイルと動機
伝えるべき核心的なメッセージ
視聴環境と状況
期待される視聴者の反応やアクション
フォローアップの可能性
A.I.が冒頭のような回答を返してきたということは、ネット上の意見を集約するとそういうことになっているのだと思います。しかし、PR映像(動画)の尺がどうあるべきか?ということは、上記のように様々な条件下であらゆる可能性を検討すべきです。
また、尺の問題に限らず、PR映像(動画)制作における様々な課題について、何事につけあっさり「こうあるべき」と語る映像マンがいたとしたら、その人は信用しない方がいいと思います。PR映像を制作する目的や環境は、100本つくったら100通りの違いがあるものだと僕は考えています。
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