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映像プロデューサーに求められる役割

Tomizo Jinno

広告と広報の境界線が曖昧になる中、映像の役割

「広告」と「広報」は、企業が情報を発信する上でよく用いられる言葉です。一般的には、広告は商品の魅力を訴求し購買意欲を刺激する一方、広報は企業の理念や活動などを広く世の中に伝えることを目的とします。しかし、近年ではこの両者の境界線が曖昧になり、より巧妙な情報発信手法が求められるようになっています。


広報の仮面を被った広告

かつては、広告は企業の主観的な視点で商品やサービスの魅力を伝えるものでした。しかし、消費者の目はますます厳しくなり、企業の一方的な主張はなかなか受け入れられなくなってきました。そこで企業は、広報という名の看板を掲げ、より客観的な情報を提供することで、消費者の信頼を得ようとするようになりました。

しかし、この「広報」も、実態は広告であることが多く、ステルスマーケティングと呼ばれる手法も存在します。これは、企業が自社の情報を「事実」として公開し、あたかも第三者の意見であるかのように見せかけることで、消費者に製品やサービスに対する好印象を与える手法です。


映像制作における視点の重要性

映像制作においては、どのような視点で対象を捉えるかが、作品の性格を大きく左右します。企業が制作する映像は、自社の商品やサービスをより魅力的に見せるために、客観的な視点と主観的な視点の両方を巧みに使い分けています。

特に近年では、ドキュメンタリータッチの映像や、まるで素人のように撮影されたかのような映像など、様々な手法が用いられています。これらの手法は、より自然で親近感のある印象を与え、視聴者に共感を促すことを目的としています。


時代の変化と映像制作

広告業界は、常に時代の変化に合わせてその手法を変えてきました。戦後、テレビCMが誕生し、企業は映像という強力なツールを用いて消費者にアプローチするようになりました。しかし、消費者の目はますます肥え、企業の意図を見抜く力が向上したため、広告はより巧妙な手法で視聴者を誘導する必要に迫られました。

近年では、SNSの普及により、個人が情報を発信する機会が増え、企業の情報に対する信頼度はますます低下しています。このような状況下で、企業はどのようにして自社のメッセージを効果的に伝えることができるのか、日々試行錯誤を繰り返しています。


結論

広告と広報の境界線が曖昧になる中、映像制作の役割はますます重要になっています。視聴者の心を掴むためには、単に情報を伝えるだけでなく、どのような視点でその情報を伝えるかが重要です。B2Bの映像制作プロデューサーは、常に社会の動向を捉え、視聴者の心に響く映像を作り出すことが求められています。

 

映像制作・広告と広報のハザマで

 

 


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