NHK BS1
を視ていると、過去に遡って今に通じるテーマのドキュメンタリーを再放送してくれたり、各界のスペシャルリストをリモートパネラーにした特集番組をいくつも拵えて、どんどん放送していて、見応え満点。
認めるしか無い
このさい日頃の、受信料や(B2B)映像業界への民業圧迫などの問題は横においておくしかありません。まあ、普段は民放と違って何倍、何十倍もの予算と制作期間が許されているから、良い番組がつくれるのも当たり前といえば当たり前なのだけれど、今回のコロナ渦中での番組編成は企画もすごいが、制作スピードもなかなかどうして素早いです。
チカラ
で、今更ながら視ていて思うのは、カメラマンやディレクター、構成作家のチカラを遥かに凌いで、映像そのものチカラというものがあるものだなあ、という思い。
10年くらい前のエボラ出血熱と戦ったエチオピアの映像がすごかった。構成なんてあったものではないし、編集も雑いのだけれど、そこでおこったことは確実に伝わってくるチカラを持っていました。
映像そのもののチカラとはつまり、被写体自体が持っているインパクトのことです。構成が幼稚でも、カメラが稚拙でも、編集が素人でも、そこにあった、おこった事実を捉えた映像は、すべてを超越して迫ってきて、制作者の姑息な意図など無関係にしてしまいます。
リモート構成番組でも
最近のBS1のスペシャルものも、ご多分に漏れずリモート出演構成をしているものもあるのだが、リモートのパネラーの言葉のペーソスを、とにかく時間内にできるだけ伝えたいがために、ぎょっとするほどブチブチちょん切って編集している。けれども、だからと言って改ざんしている印象は一切与えていない。編集の完成度と言ったらまるで仮編集そのままを放送したような感じなんだけれど、その情報のインパクトときたらすごい。すごすぎてリアリティが伝わらないほど(!?)だったりするのです。
BS1しばらく目が離せません。
ブルーインパルスの飛行
これも映像のチカラを見せつけられた感。もちろん宙を飛ぶヘリコプターから、高速で飛行する編隊を超望遠で捉え続けるのはプロの仕事がないと見られないけれど。
ただ飛んでいるだけなのに
というのはちょっと語弊があるけれど、ただ戦闘機が編隊で飛んでいるだけで、どうしてこれだけ人は感動するのでしょうか。
①乗り物としてシンプルにカッコいい、速い、美しい
②難しそうな操縦を厳しい訓練の後に習得した技術で飛ばしている
③日本を守る航空自衛隊の隊員の中でも、最高位に属するプロフェッショナルたちである
④そんなプロたちが、地上で働く医療などのプロに対してエールを送る図である
③や④はカメラに映っているわけではないけれど、視聴者は当然想像するでしょう。こうした潜在意識が、あの編隊飛行を感動的にしているのではないでしょうか。
いっぽう、一部の人達がもつ「そんな予算があるなら他に使え・・・」という意識の人には、この映像は不快感しかないものでしょう。
映像よりもチカラを持つのが「生で見る」
少し前に「百聞は一見に如かず」と書いたけれど、画面を通して再生映像を見るよりももっと感動するのは、それを生で見ることだと思う。もちろん現場ではむしろ事象の全体像が見えない場合が多いけれど、このブルーインパルスの編隊飛行は、ほんの10秒でも生で視たほうが、映像よりもインパクトも感動も上回ったことでしょう。
視られなくて残念。
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