音楽付きで見たくなるよね
映像編集が概ね出来上がってくると、編集途中でも音楽を付けてみたくなるのが人情というもの。音楽が入るといったいどんな風に見えるのか、長年映像制作してきた人間でも付けてみないとわからない面もあるし、音楽に乗せると俄然映像に情緒感が湧いてくるので、プロだってやっぱり嬉しいものだ。
音楽が先でしょって!?
最近の短編動画は、はじめに音楽のベースを敷いて、それに合わせて編集する人も多い。
選曲という作業は、昔から「音効さん」「選曲屋さん」という専門家が担ってきたが、今の時代はネットから無尽蔵にフリー音源がダウンロードできるので、演出家自身で選曲してしまう場合も多いだろう。そういう僕も昔とった杵柄で?(若いころラジオ番組で選曲もしていた)自分自身で探すことが多い今日このごろだ。
最近気づいたこと
先日、クライアントの好みそうな音楽(もちろん映像にもマッチする)を探していくと、どれもこれもテンポが似ていることに気づいた。ネット上の曲名タイトルの横に曲のテンポ(1分間の拍数:bpm)が書いてあるので一目瞭然なのだ。
この時のクライアントの好み、というか編集した映像が狙う雰囲気は「軽快」「明るい」「楽しい」といったところか。
でもこれって、考えてみるとTVなんかでアップルやユニクロなど、今時のフラットデザイン商品で比較的若者向けCMで、皆が使っている曲想がまさにそれで、bpmにするとちょうど100bpm前後なんだよね。
何にでも合ってしまう
映像にあててみると、殆どオールマイティにフィットする。しかも、起伏がない(イントロやサビなどが無い)ので、どんな使い方でもできちゃう。どこで切って貼ってもつながっちゃう。
「あーそういうことねー」
映像を編集する上でも、こういう曲ならば少々ラフなリズムでカットを繋いでも、カット割りが無造作でも、オムニバス編集(総集編?)みたいで違和感なく見られちゃう。始まりから終わりまでテンポが変わらず抑揚も無い。
これでいいのかな!?いいのでしょう!
プロなら構成を工夫
映像制作マンがこういう曲ばかり使って「ヘヘ、カッコイイだろ!」って思っていてはいけないんじゃないかい?
やはり映像全体がきちんと起承転結で構成されている映像が作れないようでは、プロとは言えなと思うのだが・・・。
余談だけれど
ところで100bpmというテンポは、蘇生術の心臓マッサージに適したリズムだそうな。心拍数というにはいくぶん速めだけど、カラダに心地良いリズムなのかも知れないね。
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