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映像制作業界はブラック職場?

名文発見ある調べごとをしていて、次のような文章(コメント)を見つけました。「苦労することは、効率的に時間を使うためにも重要です。人の何倍も考え、マメにメールで連絡して、ネゴシエーションする。そういう苦労を重ねるからこそ、短時間で仕事を終わらせることができるんです。」(出典はこちら)若くして医療界でかなりキャリアアップされた方のコメントのようです。

 

医療とコミュニケーションさて、上記の言葉を発した方は(大学の教授会で)「皆さんがやっていらっしゃることは、社会から見たら完全な非常識です」なんて発言もしてしまう人だそうです。 詳しくはリンク先を読んでいただければおわかりいただけますが、昔のように、偉いドクターがスタッフに命令を下す医療ではなく、現代は様々な知見と技術、経験をもったスタッフが集まってあたる「チーム医療」の時代だから、コミュニケーションを洗練させないと、チーム医療は成果が出せない。そしてその苦労は、すればするほどスキルが上がり、効率がよくなり、スピードも上がる。 ・・・という意味ではないかと思いました。

激しく同意

僕はとても共感しました。

年齢のこともありますが、最近はほとんど残業をしません。

しなくても仕事が片付いていくのです。

「苦労した自慢でもしたいのか!?」って?

自慢ではありませんが、楽をさせてもらったことはいちどもありません。

チーム仕事は昔ながらだけど

我々映像制作業界は昔からチーム体制で仕事をしてきましたが、最近は昔ほど職能が分岐しておらず、カメラマンがディレクターを兼ねたり、ディレクターが自分で編集をしたりという傾向があるため、チームの人数も昔の半分くらいで仕事が完結することが多くなりました。

効率化は劇的

これによって何が変わったかというと、コミュニケーションが効率化したことです。

ひとりの人間が2つの職能をこなすのですから、あたりまえですね。

例えばディレクターからエディターに申し送りや打ち合わせが要らないのです。

 

インターネットによるコミュニケーション

プロデューサーやプロダクションマネージャー(制作進行)は、チーム内の申し送り、打ち合わせの内容について把握していなくてはなりませんから、プロジェクトが動いている期間は、ずーっとその案件に貼り付いていなければなりません(もちろん複数案件掛け持ち)。

それが、チームの小型化によってコミュニケーション機会(会議、打ち合わせ、申し送り)自体が数が減り、しかもWEBを使ったコミュニケーションやデータの受け渡しができることで、私たちの「時間」は劇的に効率化したのです。

 

使いこなせばさらに劇的

さらに、それに「苦労」(つまりコミュニケーションスキルの熟練)が加われば、その効率化は昔の1/5から1/10くらいではないかと思います。

ただし、苦労をしたことがない、経験が少ないスタッフはそうはいきません。映像の制作プロセスをネットで遠隔管理するのは、相当高度なスキルです。映像制作用語の共通認識はもちろん、非常に感覚的なレベルの調整も言葉で表現できなくてはなりません。 コミュニケーションの機会が少ないなかで、目的の成果・品質を出すということはとても難しいことです。 共通の言葉でコミュニケーションできないスタッフ同士は、編集や撮影を試行錯誤し、効率化どころかむしろ5倍にも10倍にも時間とお金を無駄遣いしていることでしょう。

 

専門性の高いコミュニケーション

専門性の高い職業において、さらにその中で職能が分業されていることを想像してみてください。 それぞれの担当者との横の連携には、専門性の高い言葉や表現が必要になるばかりでなく、そこで発生しがちな齟齬やリスク、可能性などについての共通認識も必要になります。 小さな齟齬や見落としが大きな失敗につながる経験を沢山すること請け合いです。 しかしコミュニケーションを避けていたのでは、仕事は成り立ちませんし、成果も上がっていきません。

映像制作業界がブラックと言われるのは・・・

さて、現代における映像制作業の職場がブラックか? と問われれば、鍛錬されたクリエーターはホワイト、練度が上がっていないスタッフは時間ばかり消費している・・・つまりブラックなのかも知れません。 

映像制作業はブラックな職場?

 


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