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Tomizo Jinno

映像編集の基本の習得プログラム


私は映像制作の仕事をしていて、自身で編集もします。ソフトはAdobe Premiere Proを使用していますが、すべて独学で今日まできましたので、かなり我流が入っていて、いちどちゃんと全体像を把握しながら復習とスキルアップをしなきゃと思って、カリキュラムを組んでみました。これから始める人の立場でつくりましたので、初心者の方は参考にしてください。まずは心構えから。


誰が視るのか


映像編集の基本的な技術を習得するにあたり、まず重要なのは「視聴者の立場」に立って考えることです。編集者の自己満足ではなく、視聴者にとって見やすく、理解しやすい映像を作ることを常に意識する必要があります。



撮影素材の意図を理解する


次に大切なのは、「素材を活かす」という姿勢です。撮影された映像や音声は、それぞれの意図や目的があって収録されています。編集者は素材の持つ本来の力を理解し、それを最大限に引き出すことを心がけましょう。



まず基本を学ぶ


また、「基本に忠実」であることも重要です。派手な効果や技術に走る前に、カット割りやトランジション、音声の取り扱いなど、基礎的な技術をしっかりと身につけることが良い作品づくりの土台となります。



構成能力


「構成力」を養うことも必須です。単に映像をつなぎ合わせるだけでなく、起承転結を意識し、視聴者を飽きさせない展開を考える力が必要です。そのためには、多くの映像作品を視聴し、その構成を分析する習慣をつけることが効果的です。



時間感覚


さらに、「時間管理」の意識も重要です。映像は時間芸術であり、適切な尺を見極める感覚が必要です。シーンの長さや全体の時間配分を考慮しながら編集を進める習慣をつけましょう。




1. 基本的な準備


必要な機材


  • コンピューター(推奨スペック:CPU Core i5以上、メモリ16GB以上)

  • 映像編集ソフトウェア

  • 外付けハードディスク(素材の保存用)


おすすめの編集ソフト


  • 初心者向け:

    • Windows: OpenShot, DaVinci Resolve無料版

    • Mac: iMovie(無料), DaVinci Resolve無料版

  • 中級者向け:

    • Adobe Premiere Pro

    • Final Cut Pro X(Mac専用)



2. 映像編集の基本概念


プロジェクト設定とフォルダ管理


プロジェクトの基本設定


  1. プロジェクト名の付け方

    • 日付_作品名_バージョン(例:20240322_社内紹介_v1)

    • 分かりやすく検索しやすい命名を心がける

    • 半角英数字を基本とし、スペースの使用は避ける

  2. プロジェクト設定の確認

    • タイムライン設定

      • フレームサイズ(1920×1080など)

      • フレームレート(24fps, 30fps, 60fps)

      • ピクセルアスペクト比(スクエア:1.0)

    • オーディオ設定

      • サンプルレート(48kHz推奨)

      • ビット深度(24bit推奨)

    • レンダリング設定

      • プレビュー用コーデック

      • キャッシュファイルの保存場所



フォルダ構造の組み立て方


ルートフォルダの作成

プロジェクト名/

├── 01_Project Files/    # プロジェクトファイル本体

├── 02_Footage/          # 素材映像

├── 03_Audio/            # 音声ファイル

├── 04_Images/           # 写真・イラスト

├── 05_Graphics/         # タイトル・ロゴなど

├── 06_Exports/          # 書き出しファイル

└── 07_Documents/        # 企画書・台本など



サブフォルダの整理

Footage(素材映像)の例:

02_Footage/

├── 01_Raw/             # 撮影直後の素材

├── 02_Converted/       # 変換後のファイル

├── 03_Archive/         # 使用しない素材

└── 04_Stock/           # ストック映像



メディア管理のベストプラクティス


ファイル命名規則

  • Scene01_Take01のような明確な命名

  • 日付_撮影場所_内容などの情報を含める

  • バージョン管理(v1, v2など)を適切に行う


メディアのバックアップ

  • 3-2-1ルール

  • 3つのコピー

  • 2種類の異なるメディア

  • 1つは別の場所に保管

  • 自動バックアップの設定

  • クラウドストレージの活用


プロキシワークフロー

重い4K素材などの場合

  • プロキシ(低解像度)ファイルの作成

  • 編集時の快適性向上

  • 最終書き出し時に元素材に差し替え



プロジェクトのメンテナンス

  1. 定期的な整理

    • 未使用ファイルの削除

    • キャッシュの削除

    • プロジェクトの最適化

  2. バージョン管理

    • 主要な変更時に新規保存

    • 日付やバージョン番号の記録

    • 重要な変更点のメモ作成

  3. コラボレーション時の注意点

    • 共有ドライブの使用

    • ファイルパスの統一

    • 素材の使用権限の確認



映像編集の基本の習得プログラム

3. 映像編集の基本概念


タイムライン


タイムラインは映像編集の心臓部です。ここで以下の作業を行います:

  • 映像クリップの配置

  • トランジションの追加

  • 音声の調整

  • エフェクトの適用


解像度とフレームレート


  • 一般的な解像度:

    • フルHD(1920×1080)

    • 4K(3840×2160)

  • 主なフレームレート:

    • 24fps:映画的な見た目

    • 30fps:一般的な動画

    • 60fps:スポーツやアクション向け



4. 基本的な編集テクニック


カット編集


  1. 不要な部分のカット

    • インポイントとアウトポイントの設定

    • トリミングツールの使用法

  2. クリップの並べ替え

    • ストーリーの流れを意識

    • テンポ感の調整


トランジション


  1. 基本的なトランジション

    • カット(直接つなぐ)

    • ディゾルブ(フェード)

    • ワイプ

  2. 使用上の注意点

    • 過剰な使用を避ける

    • シーンの雰囲気に合わせて選択


音声編集


  1. 基本的な音量調整

    • フェードイン/アウト

    • クロスフェード

  2. BGMの挿入

    • 音量バランスの調整

    • 著作権フリー音源の活用



5. カラーグレーディング


基本的な色調整


  1. 明るさとコントラスト

  2. 色相と彩度

  3. ホワイトバランス


カラーグレーディングの手順


  1. 露出の調整

  2. コントラストの調整

  3. 色味の調整

  4. 仕上げの微調整




6. 実践的なテクニック


テロップ(文字テキスト)の挿入


  1. フォントの選択

    • 読みやすさを重視

    • 作品の雰囲気に合わせる

  2. アニメーション

    • フェードイン/アウト

    • スライドイン/アウト


エフェクト


  1. 基本的なエフェクト

    • スロー/ファスト再生

    • ズームイン/アウト

    • ブラー(ぼかし)

  2. 使用上の注意点

    • 必要最小限の使用

    • 自然な仕上がりを心がける




7. 書き出しと共有


書き出し設定


  1. フォーマットの選択

    • MP4(H.264):一般的な用途

    • ProRes:高品質必要時

  2. ビットレート設定

    • YouTube向け:8-16Mbps

    • オフライン保存:より高いビットレート


プラットフォーム別の最適化


  • YouTube

  • Instagram

  • Twitter

  • TikTok



8. 作品の向上のためのヒント


ストーリーテリング


  1. 導入・展開・結末を意識

  2. 視聴者の興味を維持する工夫

  3. テンポ感の重要性


技術的な注意点


  1. バックアップの重要性

  2. プロジェクトの整理整頓

  3. 素材の管理方法



まとめ


映像編集は技術と芸術の両面を持つ作業です。基本をしっかり押さえた上で、自分なりの表現を追求していってください。以下の点を常に意識しましょう:

  1. 見る人の立場に立って編集する

  2. 必要以上に派手な効果を避ける

  3. 音声の品質を軽視しない

  4. 定期的なバックアップを取る

  5. 著作権に注意する

練習を重ねることで、必ず上達していきます。まずは短い動画から始めて、徐々に長い作品に挑戦していくことをお勧めします。



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