絶対安全の好感度素材
かつてTV-CMの企画として、絶対にハズさない、好感度間違いなしを約束する被写体は「美人」「赤ちゃん」「動物」でした。この3つを「三種の神器」と呼びました。
ところが現代、しかも今の新型コロナウィルス渦にあって、美人は下手をすると反感を感じる人がいる。赤ちゃんはその未来を想像して、むしろ心配になる。残る動物だけが無邪気に「かわいい」と思えるような気がします。
好感度は時代や社会状況によって変化する
「美人」というのは「持って生まれた差別要素」として、妬みの対象となったり、現代の美人の定義は美の価値観自体が一定でなく、「美人記号」を身につけだけで「美人になれる」という現実もあるため、今のような非常事態下のおいては、そのような浮ついた価値について云々することじたい場違いのような気がします。
また「赤ちゃん」については、コロナ渦以前から結婚しない人や、子供をつくらない夫婦の増加によって、かつてのような「幸せの象徴」「誰もが愛らしく思う」対象ではなくなってしまいました。
愛猫や愛犬の投稿動画
こうなってくると、残るのは動物しかなく、今の猫ブームやワンコ自慢の投稿動画が溢れかえっている状況も無理はないかも知れません。
最後の無垢「小動物」
もう三種も望むのは無理なのかも知れませんね。
愛猫や愛犬の投稿動画が、現代において非常に人気を集めているのはなぜでしょうか。この現象には、複数の要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
1. 癒やし効果と共感
ストレス社会におけるオアシス: 現代社会は、仕事や人間関係などによるストレスが非常に多く、人々は癒しを求めています。動物の無邪気な姿や可愛らしい仕草は、私たちの心を安らげ、ストレスを軽減する効果があります。
共感と一体感: 動物の喜怒哀楽は、人間と共通する部分が多く、見ている人が自分の感情と重ね合わせやすいため、共感を得やすいです。また、動物と一体化するような感覚を覚え、孤独感を解消する効果も期待できます。
2. 可愛らしさへの普遍的な感情
本能的な反応: 人間は、進化の過程で可愛らしいものに惹かれるようにプログラムされています。赤ちゃんや動物の大きな目や丸いフォルムは、保護欲を刺激し、好感を抱かせます。
癒しホルモンの分泌: 可愛らしい動物を見ることで、オキシトシンなどの幸福ホルモンが分泌され、心身に良い影響を与えます。
3. SNS時代のコミュニケーションツール
自己表現の手段: 自分の愛猫や愛犬の動画を投稿することで、自分の生活の一部を共有し、自己表現することができます。
コミュニケーションのきっかけ: 共通の趣味を持つ人々と繋がり、交流のきっかけになります。また、コメントや「いいね!」などの反応によって、承認欲求も満たされます。
コミュニティ形成: 特定の犬種や猫種、行動パターンなど、共通のテーマを持つコミュニティが形成され、情報交換や交流が活発に行われています。
4. 癒しコンテンツとしての需要
エンターテイメントとしての価値: 動物の動画は、短く手軽に見れるエンターテイメントとして、忙しい現代人の心を掴んでいます。
癒しを求める社会風潮: コロナ禍以降、人との接触が制限される中で、癒しを求める傾向がますます強まりました。動物動画は、その需要に応えるコンテンツの一つと言えるでしょう。
5. 動物愛護への意識の高まり
動物への共感: 動物の動画を見ることで、動物への理解を深め、愛着を持つ人が増えています。
動物愛護の啓蒙: 動物の保護や里親探しを呼びかける動画も多く、動物愛護への意識を高める効果も期待できます。
まとめ
愛猫・愛犬の投稿動画が好感される理由は、単に動物の可愛らしさだけでなく、現代社会が抱える様々な問題に対する一つの解決策として、人々の心の琴線に触れるところにあります。癒やし、共感、コミュニケーション、自己表現など、多岐にわたるニーズに応えることで、人々の心を捉え、大きな人気を集めていると言えるでしょう。
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