例えば私は映像の出演者のメガネに何かが映り込んでいて、気になって仕方がないのに、人に意見を聞くとまったく気にならないと言うことがあります。いっぽう私は若い頃から画面の隅を一瞬横切った蝿の飛行に気づくタイプでした。私は画面全般を漠然と見ている時と、被写体だけに集中して見ている時があるようです。
一般的に人は画面のどこを見ているのか、さまざまな可能性を考えました。
1.注目の中心
一般的に、視聴者は画面の中央付近に最も注目する傾向があると思います。これは重要な情報や主要な被写体が通常この領域に配置されるためです。
2.人物への注目
画面上に人物がいる場合、特に顔の部分に視線が集中しやすいと思います。これは人間の社会的・生活習慣によるものです。
3.動きへの反応
急な動きや変化のある部分に視線が引き寄せられる傾向があると思います。
4.テキストと画像
画面上にテキストがある場合(ニュースのテロップなど)、視聴者はテキストと画像の間で視線を往復させる傾向があると思います。
5.画面の四隅
一般的に、画面の四隅は注目されにくい領域だと思います。
6.文化差
視聴習慣や読み書きの方向などの文化的要因により、注目のパターンに若干の違いが見られるかも知れません。
文化による差異は、視聴者の注目パターンに確かに影響を与えるかも知れません。以下に、いくつかの主要な文化的要因とその影響についてClaudeが考察しました。
読み書きの方向
左から右に読む文化(多くの西洋諸国)では、画面の左上から右下へと視線が移動する傾向があるります。
右から左に読む文化(アラビア語圏など)では、逆のパターンが見られることがあります。
縦書きの文化(日本の一部の文書など)では、上から下への視線の動きがより自然に感じられる可能性があります。
視覚的な美的感覚
東アジアの文化では、全体的な構図や背景により注意を払う傾向がある。
西洋文化では、中心的な対象や前景により注目する傾向がある。
色彩の認識
色の象徴的な意味が文化によって異なるため、特定の色に対する注目度が変わることがあります。
例えば、赤色は中国では幸運を象徴しますが、他の文化では危険や警告を意味することがあります。
社会的規範
目線や表情の解釈が文化によって異なり、それが視聴者の注目点に影響を与えることがあります。
例えば、直接的な視線が適切とされる文化もあれば、控えめな視線が礼儀正しいとされる文化もあります。
メディア消費習慣
テレビやデジタルメディアへの接触頻度や方法が文化によって異なり、これが視聴パターンに影響を与えます。
例えば、スマートフォンでの動画視聴が一般的な文化では、縦型動画により慣れている可能性があります。
情報の優先順位
文化によって、どの種類の情報を重視するかが異なることがあります。
例えば、集団主義的な文化では、個人よりも集団や背景の情報に注目する傾向があるかもしれません。
象徴やアイコンの解釈
文化固有のシンボルや視覚的な合図が、注目のパターンに影響を与えることがあります。
特定の文化で意味を持つシンボルは、その文化圏の視聴者の注目を集めやすくなります。
これらの文化的な差異は、グローバルな映像制作や広告戦略において重要な考慮事項となっています。ただし、これらは一般的な傾向であり、個人差も大きいことに注意が必要です。また、グローバル化やインターネットの普及により、これらの差異が徐々に縮小している面もあります。
映像制作者として
プロのカメラマンが撮った映像の場合、必ず一定の意図を持って構図が切り取られているはずですから、その時点で「見てほしいところ」があるはずです。しかし、人の関心は千差万別ですから、上記の考察でもわかる通り、撮影者の意図通りのところに注目してくれるとは限りません。私たち映像製作者には制作意図があります。ですからその映像の視聴者がどこを見るか、ということも念頭において編集する必要があります。
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