「テレワーク」「非対面」による映像制作需要
研修セミナー、代表者挨拶、教育コンテンツ・・・・。こうした映像制作の需要が急激に増えています。ただし、日常コミュニケーションの代役としてのコンテンツを求められているわけですから、ここ一番の社運を掛ける広告制作とは制作費の予算感が全く異なります。
社内制作では正社員3人位の作業量
年中この社内コミュニケーションコンテンツづくりを社員の方が行うとしたら、最低3人のチームであたらないと休暇もとれません。大企業であれば年間1,500-2,000万円くらいの人件費でしょうか。ちょっと待って下さい、年間2,000万円あれば外注プロダクションのチームを専任で拘束できます。
社内制作でも熟練してくると相当の品位にはなります。
けれど、映像制作するためにその会社に入社されたわけではないので、3年もしたらできれば主要事業の部署に戻して差し上げたいですよね。3年ですと、ちょうど制作方法が「分かってきた頃」です。
やっぱり本業以外は外注したほうが、良いと思います。
プロの前提は一定以上の品位維持
「品位」というのは、少しわかりにくい表現かも知れませんが、映像制作にプロとして10年以上携わり、大手クライアント、広告代理店が起用を躊躇わない程度の技能とセンス、経験、社会常識をわきまえたシナリオライター・演出家・カメラマンらによって制作された映像のレベル・・・とでもいいましょうか。ただし、社内コミュニケーションに利用されるコンテンツに大上段に構えた「品位」は不要ですので、ここでの品位とは、実質的に役に立つ、効果が高いコンテンツという意味に捉えた方がいいかも知れません。いずれにせよ、素人が企画、制作したものとは一線を画すレベルの映像をお届けするのは、プロ業者である我々の矜持ではあります。
一度に大量発注する
数多くのタイトルを、類似の構成で制作するならば、共通部分や「雛形」として使えるパターンを設定すれば、撮影工数、編集時間、制作時間を大幅に削減して、コストを下げることができます。ただし、原則として同時発注いただかないと、各工程の作業が集約できないため、コスト削減効果が産み出しにくくなります。
長期間契約を結ぶ
年間数十本の制作であれば、制作会社がフリーランススタッフと年間契約をして専任のチームを編成してあたることで、総予算を大幅に抑えることもできます。熟練によるコミュニケーションや作業時間の省力効果も大きなものがあります。
クライアントとの分業
目に見えないけれど、いちばん時間、能力、労力が居るのが企画案、構成案、調査などの撮影前作業です。このプロセスは何度にもわたる「提案」「打合せ」「修正」「提案」を繰り返しますので、コミュニケーションによるロスも大きいものがあります。このプロセスをクライアントが担当すれば、大幅な時間短縮、コストダウンが可能です。あるいは、企画、構成担当者を制作会社からクライアントに出向させて業務にあたるのも、効果が期待できる方法です。
完全お任せスタイル
これはめったに採用できる方法ではありませんが、創業家支配の企業や、会長や社長が絶大な権限を持っている時に、その会長、社長から絶大なる信頼をもらって、「以心伝心」で企画制作を行い、原則的にクライアントからの注文はテーマと切り口くらいだけ・・・というような場合です。制作会社としては提案・修正などのプロセスを減らして、自社都合で制作スケジュールを立てられるため、とても効率的に予算配分でき、最終的に予算も抑えられます。ただし「信頼」をいちど失ったらおしまいですので、絶対に期待をハズせません。
少人数のチームで制作可能なコンテンツ3種
①同録撮影素材しか使用しない
講師や教師が一方的にカメラに向かって喋り、図表などは板書する。編集はNG部分の削除と、ほんの少しはインサートも入れる。音声も喋りだけ。音楽は前後タイトル部分やコーナー区切のジングル程度。尺はあまり厳密に制限しなければ、編集もそうたいへんではありませんので、いちばん大変なのは講師のシナリオ作りです。が、これも講師に行ってもらえれば、制作会社としては予算を抑えられます。
②二次元モーショングラフィックスだけしか使用しない
技能と経験さえあれば、シナリオ、作画、編集までぜんぶ一人でできます。もちろん学習コンテンツですので、一定以上の知能も必要ですし、デザインセンスも欲しいところです。同種、同類のコンテンツを量産する場合「熟練」によるスピードアップは200ー300%くらいの効果があると僕は思っています。3人分の仕事が1人でできるわけですので、関わる人間が少なければ予算も抑えられます。ただし、1人でやるから1/3というわけにはいきませんけど。
③特定な表現手法をオリジナル開発して、定着させる
「ホワイトボードアニメ」と呼ばれる手法のように、非常に簡便に作成できるオリジナルのアニメ作画法、動画化法を使って映像をつくれば、それまでフルアニメで制作していた予算の半分以下で制作が可能です。オリジナリティに優れていれば、固定視聴者も増え、コンテンツ群としての価値もアップします。
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