20世紀のこと
映像制作産業はかつては何千万円、何億円という投資が必要な設備産業でしたが、今では非常に特殊な分野を除いて、設備を持ってるだけでは映像制作はビジネスになりません。というより、映像制作ビジネスは、機材なしでも始められる時代です。
ハードウェアへの投資はリスク?
Red Bullというスポーツドリンクがシェア世界1の会社が、実は製造工場を持っていない「マーケティング会社」であるということは有名です。
iPhoneやMacを販売するApple社も自社工場は持っていません。
ただし、いずれも商品を製造する根幹の技術や特許は自社で保持していますから、製造を受託する会社は、類似商品を製造販売できるわけではなく、マーケットの囲い込みはヌカリありません。
「頭脳」こそが設備
映像制作ビジネスは設備投資0円からでも可能です。でも、頭脳を使って映像をアウトプットするためには、ほんのちょっと機材が必要です。これを外注すると利益が消えてしまいますので、少しは設備投資した方が得です。
映像制作ビジネスでお金を生み出す部分、つまり「付加価値」が付加される項目を列挙すると。
①企画を生み出す技術・技能(アイデア、シナリオなど)
②演出(絵コンテ、撮影指示、編集指示、録音指示)する技術・技能
③企画・制作・撮影などをマネジメントする技術・技能
④出演者をマネジメントする技術・技能
⑤撮影(カメラ、照明、美術など)する技術・技能
⑥CGやアニメなどを作成する技術・技能
⑦編集する技術・技能
⑧音声を付加する技術・技能
⑨要望される納品形態に変換する技術・技能
付加価値ビジネス
①②③④は設備不要
⑤⑥⑦⑧⑨は設備機材が必要ですが、機材よりも人的な技量こそが大きな付加価値です。金額を出せば高スペックな機材が購入できますが、ビジネス映像に求められるのは8Kなどのハイエンドな画質管理や前衛的な編集技術ではありません。
いくら高額な機材を揃えても、結局映像制作に肝心なのは、制作する人の頭脳とセンスです。
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