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Tomizo Jinno

AIを活用したナレ録ワークフロー

最近はナレーションがある映像の編集では、冒頭のナレーションがない部分の編集ができると、次に生成AIを使って仮ナレーション音声データをつくり、Prmiere proの音声トラックに並べてから本編の編集をすることが多くなりました。映像のカット変わりや、モーショングラフィックの動きと言葉のタイミングを合わせながら編集できるからです。ナレーションの言葉とそこに充てる映像の整合性を大事にしたいのと、ナレーションの抑揚とカット割りのリズムの調和も大切にしたいからです。


AIを活用したナレ録ワークフロー
AIを活用したナレ録ワークフロー


AI生成による仮ナレーション


この方法の最大のメリットは、ナレーションの言葉と映像の整合性を考えながらカットを選択でき、より自然な映像表現を実現できる点にあります。間合いから生まれるナレーションの抑揚や、カット割りのリズムとの調和も、細やかな調整が可能となり、より洗練された作品に仕上げることができます。

仮ナレーションに生成AIを活用する最大の理由は、ナレーションの間合いを自分の思い通りに細かく調整できる点にあります。ただしアクセントはめちゃめちゃだったりしますけど。

プロのナレーターに依頼する場合、何度説明しても意図した通りの表現ができないケースがあります。AIによる音声生成はただみたいなもの。コストパフォーマンスの面からも非常に魅力的な選択肢です。



本番はもちろんプロナレーターです


もちろん映像完成後の本番ではプロのナレーターを起用します。経験豊富で個性的なナレーターは、シナリオのニュアンスを的確に捉え、感情表現を豊かに表現することができます。また、独特の声質や語り口は、映像に深みを与える重要な要素となります。



事前準備


クライアントと日程調整をして、MAスタジオをおさえ、タレント事務所にナレーターのスケジュールを予約すると、録音当日の少なくも3日くらい前までにナレーション原稿と映像データを送っておきます。こうすると事務所がタレントさんに渡しておいてくれて、タレントさんはあらかじめ原稿のチェックをして、映像に合わせて読み込んでおいてくれるからです。映像には仮ナレーションも入っていますから、こちらが希望しているタイミングやリズムも把握してくれます。



ナレーターのキャスティング


私自身は、ナレーションのキャスティングにおいて、まず「経験と上手さ」を重視しています。読み間違いや詰まりは、立ち会っているクライアントに心配を掛けますし、何度もリテイクしているとだんだん疲れてきて、始めと終わりで声質が違ってしまうことがあります。


次に「声質や語り口にオリジナリティがある」こと。個性ある声は映像の世界観を豊かに彩ってくれます。ただし、声質を重視してナレーターを選んだ場合、発音の癖や、指示への理解度が低い場合が稀にあり、何度もテイクを重ねても改善されないことがあります。



初めてのナレーターはチャレンジ


でも一緒に仕事をしてみないとわからないことも多いので、時々冒険をして初めての方にナレーションをお願いします。果たしてどんな読みをしてくれるかなと、期待と不安が同居しての録音作業です。その結果うまくいくとなんだか宝物を掘り出したような気分になります。次にまた同種の狙いが欲しい時は必ずまたお願いします。新しいナレーターとの出会いは幸福です。

いっぽうこれは失敗したな、と思うことも稀にあります。録音を始めるとすぐにわかります。すぐにとちるので。でもそういう時は何度もリテイクするなんてことは、しません。そういう方の場合、テイクを重ねれば重ねるほどしどろもどろになり、結局最初のテイクが一番良かった、となるからです。声質優先で選ぶとたまに起こるハプニングです。


AIによる仮ナレーションという方法が、映像編集の精度を上げ、本番Na録音のコミュニケーションを助け、ストレスが少ないナレーション録音を可能にして、それがまたナレーションの品位をあげる効果をあげています。

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