映像技術は撮影機材、編集機材のみならずVFXやA.I.技術によって劇的な進化を遂げています。この度Appleは新発売したヘッドマウント(ゴーグル)型のディスプレーでAR、VRといった概念を超えた視聴覚体験を提供すると謳っていますが、かつての3D映画がそうであったように、肝心なことはいくらハードウエアが新しくてスゴイことができても、そこで体験する楽しいコンテンツが継続的に提供され、進化していくかどうかです。

コンテンツにはプロトコルが必要
時間軸をもつコンテンツは、舞台演劇同様に創る人、視聴する人が共通にもつお約束によってストーリーを生み出します。映画にとどまらず現在のネット動画も原則的には、19世紀末にエジソンによって発明されたシネマトグラフに始まるフィルム撮影、フィルム編集についての「お約束」(カット割とかモンタージュとか)とも言えるプロトコル(文法)を受け継いでいることを、まず理解していただきたいと思います。日本のお家芸となった「まんが」も、様々なカット割り技法や吹き出しセリフの表記の仕方に、暗黙のルールがあることからも、そうしたプロトコルの共通認識が、面白さや喜怒哀楽を生み出していることに同意いただけるでしょう。
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