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ツカミだけがPR動画じゃない

動画制作を企画してシナリオをつくってみたけれど、視聴離脱を恐れて尺を切り詰めたので十分な情報やメッセージが盛り込めない!と嘆いたことありませんか?

PR動画はとにかく短ければ短いほど良いと思っていませんか?

心配ご無用。

どんどん入れちゃってください。という話でもないのですが、巷では「動画は短尺で」がまるで金科条のように言われているので、水を差そうと思います。


ツカミだけがPR動画じゃない
ツカミだけがPR動画じゃない



テレビCMと勘違いしていませんか?


テレビCMは茶の間で民放テレビ番組を見ていれば嫌でも流れてくるので、視聴離脱動画の典型です。広告会社はそれでも見てもらうためにあの手この手で視聴者を惹きつけようとします。一般的に1本15秒ですから、まさに「ツカミ1本勝負」のような動画コンテンツです。同様にWEB 上でも嫌でも目に入ってくる動画サムネイル。気になったサムネイルをクリックして流れてくるCM、PR動画も同様にツカミが勝負です。なぜならば視聴者には「気がない」から。気がない視聴者をその気にさせるなんて、たいへんなことです。

視聴者、そしてCMやPR動画を制作する人も、動画と言えばこうした「気のない人」に向けた「ツカミ」のためのものと思っていませんか?

大きな声で言います「それは思い込みです!」。



市場原理と動画の尺


子供の頃「需要と供給」Demand and Supply Curveというグラフを習いました。

市場では需要が多く供給量が少なければ、価格が高くても買う人がいるように、視聴者が強く欲しいと思っている情報ならば、制作者が少々長い動画をつくっても視聴者は最後まで見てくれる、という法則が成り立ちます。これ私が提唱している法則です。

つまり、すでに「ツカミ」を得ている視聴者(気がある人)に対しては少しばかり尺を伸ばしても問題ないと、私は思うのです。すでに購入動機を持っていている人に十分な情報が届くことによって購買に結びつく可能性が高くなると確信する商材ならば、あえて動画の尺は気にしなくていいと考えています。逆に、興味がある人なら必ず欲しがる情報を見せているのに途中で視聴離脱するならば、その視聴者はそもそも購入動機を持っていなかった、と考えます。つまり購入候補者をスクリーニングするのが動画の役割なのです。

あとはネットの仕組みや巧みな営業トークでクロージングしてください。



スマホインカム


インカムと言えば無線機をポケットに入れてヘッドセットをつけ、スタッフ間がリアルタイムにコミュニケーションできる便利な道具でしたが、今は無線機に代わってスマホがその機能を進化させています。宿泊業や介護施設、総合病院、レストランなどでの利用が典型的です。

このスマホインカム、すでに多数の事業者が参入していてレッドオーシャン状況となりつつあるようです。このスマホインカムを旅館に売り込もうとする時に、動画の利用は誰もが考えることです。実際の利用シーンを見てもらうのが手っ取り早いからです。しかしこのスマホインカムは非常に多機能で、セールスポイントがたくさんあり、事業者によって微妙に機能が違っています。ただし無線機では電波が途切れるという課題をクリアしている点においては共通メリットです。



どこで誰に見てもらうか


動画を使ったプロモーションでは、自社のWEBサイト、YouTubeなどの動画共有サイトを使用することが考えられますが、旅館相手の営業は昔ながらの「足で稼ぐ営業活動」も効果的です。また、展示会などのショーイベントへの出展でも利用できそうです。他にセミナーの開催なども。

こうした様々なシチュエーションで放映するPR動画の尺は、どう考えると良いでしょう。一般的にネット上の動画は短く、対面ならば長めでもOKと言われますが、果たしてそうでしょうか。



ネット上にもいろいろある


Youtubeなど通りすがりの掲載先では、こういう商材はあまりPR効果は上がりません。ターゲットがあまりにニッチだからです。それでも効果を狙いたいなら、ツカミ重視の短尺動画で自社サイトへの誘導するという方法でしょうか。

いっぽう自社のPRサイトに掲載する場合は、すでに何らかの興味を持ってやってきているはずですから、少しはツカミができているかも知れませんから、ツカミ+メリットを伝えるコンテンツで新しい情報を提供すべきでしょう。他社の同じ商材との比較を見せるサイトなら、ツカミは無用です。



対面にもいろいろある


例えば宿泊業を対象とした展示イベントのブースでの使用を考えます。通りすがりの人が目にするモニターであればツカミだけですが、ブース内で接客しながら説明するならばツカミ+メリットが有効になります。

また、旅館へ営業活動に訪問する場合では、こちらが無理を言って担当者の方に時間を作ってもらったならば、動画はツカミ+メリット少し、ですが、先方から要請があって訪問するならば、ツカミは無用・メリットたくさん、が有効になります。



強みは何か、どこを狙うか


スマホインカムはレッドオーション状況で、他社に対する優位点をアピールすることが大切ですが、そもそも宿泊業においては無線機インカムすら使っていない、無線機は飛ばないことがあるので、インカムを諦めていた、という状況があるそうです。これを考慮するならば、この票田を狙った営業も有効です。そうすると、動画の内容もスマホ機能の比較や優位性ではなく、インカムという道具自体のアピールが有効になります。



PR動画の尺をどう決めるか


簡単です。

どこで何を誰に見せるかを十分に考慮して、効果的な内容を過不足なく盛り込みます。

そうやって制作すると、その結果として尺が決まります。

そして出来上がった動画を見て「長いな」と思ったら短くしましょう。

その時忘れてならない視点は、どこで誰に見せている動画なのか、ということです。

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