TV-CMの絵コンテ
たった15秒のTV-CMの絵コンテであれば、アイデアさえまとまれば作成する時間は、そう掛かりません。最近の絵コンテは手描きとは限りませんので、画像処理が面倒ではない程度に画像処理ソフトが操作できるならば、これもそう苦にはならないでしょう。
B2B映像の絵コンテ
ところが B2Bの企業映像となると1分とか3分、長いものだと10分以上になりますので、その全編に絵コンテをはめ込む作業は数日掛かる作業となります。
実写で撮影する対象であれば、実際に撮影したらどういう構図になるのか、下見をしないと描けませんし、その物がどんな場所に置いてあるのかも、絵コンテには重要な情報です。
絵コンテは描く作業時間もさることながら、下調べ準備がとてもたいへんで、ディレクターはかなり困憊する工程であることは間違いありません。
逆にこれをしっかり描ければ、映像は半分できたようなものなので、後半戦にむけて気持ちがスッキリするタイミングでもあります。
撮影(動画素材)なしでつくるB2B映像
ところが、最近の企業映像は撮影を伴わない映像づくりも多くあります。
CGやイラスや、それらが動くアニメーションだったりです。
こうした手法の映像をつくるときに往々にして起こることが、絵柄の変化が乏しく、絵コンテにしても同じような絵柄が継続して、映像の流れが単調になってしまうことです。
アニメーションさせる予算がないとき
予算があれば3Dにしろ2Dにしろ、またイラストにしろ「アニメーション」して、対象物自体を画面の中で動かして「意味を発生させる」たり「間を持たせる」のですが、数分から10分もあるB2B映像で予算が無い場合、静止画のイラストが、10秒も20秒も続くことになります。
こうした映像は、映像制作者にとってはスライドショーを作っているような気分になり、プロとしてはできるだけ避けたいと考えます。
困ったときのホワイトボード手法?
こんな時に救世主のように利用される手法が「ホワイトボードアニメ」です。
極論すると、この手法はイラストや文字を「描かれていく過程(消えていく過程)を見せる」ことで、簡単に言えば「時間を稼ぎ」「間の悪さ」を回避します。
したがって視聴者も退屈さをあまり感じずに視聴できる、というメリットはあります。
この手法が科学的に分析されている・・・て本当?
ただし、果たして退屈しないからと言って、その画面が伝えたいメッセージがより深く伝わるのかという問いに対しては、僕は?だと思います。
よくこの手法の利点として、視聴者への到達率・理解度が○○%アップします、みたいなことが書いてあるのですが、それは「この手法に適した脚本づくりに苦心した結果」ではないかと僕は見ています。
大事なことは、伝えたいことをどう順序立てて、視聴者のふに落ちる説明とスピードで聴かせ、見せるか・・・、その脚本づくりができていないと、ほとんど無意味なばかりか、ペン先や手先を目で追いかけることに気を取られて、ナレーションが耳に入っていない・・・てなことも起こりかねません。
ホワイトボードアニメの製作を計画されるときは、よくよく考えて絵コンテをつくるべきだと思います。
ホワイトボードアニメーションに対する批判的な意見
画一的な印象: 手描き風のイラストやシンプルな表現が特徴ですが、多くの動画で似たような表現方法が用いられるため、画一的で個性に欠けるという意見があります。
表現の限界: 複雑な動きやリアルな表現は苦手とするため、表現できる内容に限界があるという指摘があります。
飽きられやすい: 長尺の動画になると、シンプルな表現が単調に感じられ、視聴者の集中力が途切れてしまう可能性があります。
制作コスト: 高画質な実写映像に比べると、制作コストは抑えられますが、複雑な内容や長尺の動画になると、制作に時間がかかり、コストが嵩む場合があります。
オリジナリティの欠如: テンプレート化されたような動画が多く、他の動画との差別化が難しいという意見もあります。
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