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Tomizo Jinno

Z世代が担うビジネス動画


Z世代

近年ビジネス動画の制作をフリーランスの動画クリエーターに依頼するという方法が、映像制作発注先の選択に加わりました。とても安価に引き受けてくれるフリーランス動画クリエーターを「Z世代」として捉えてみました。従来の映像制作会社とは何が違うのか。上手な使い分け方のヒントにしてください。


手段が目的の映像制作

従来のB2B映像制作会社はクライアントが要望する目的のためには、あらゆる手法を検討します。例えば、ある製品を販売促進したいと言われれば、それをドラマで伝えるのか、ドキュメンタリーで伝えるのか、アニメで伝えるのか、モーショングラフィックスで伝えるのか、より効果的な手法はどれなのかを検討します。もちろん予算や制作期間などの制約も考慮しなくてはなりません。すなわち多くの手法の中から最適な手法を選び、予算・制作期間に対して最適化した「手段」を企画書にして提案します。


目的が目的の動画制作

いっぽう「動画クリエーター」は、自分が好きで趣味として動画をつくっていたら、得意とする「手法=手段」がたまたま発注者の希望と合致して仕事になっている、とても幸運な人たちではないかと思います。仕事を引き受けるのも、好きだから、楽しいから、と言います。まさにZ世代のライフスタイルに合致したビジネスと言えます。


デジ1ボカシ最高!

Z世代は、論理性とか情緒性とかを作為的に映像と音声につくり込むことに抵抗があると言います。作意を感じるからダサい、と。撮影はデジ1で背景ぼかしてインタビューを撮って、手持ち(ジンバル)カメラでドキュメントタッチでインサートを撮って、編集はカットを短く切って繋いで、時々モーショングラフィックを入れる・・・という手法が最高峰で、これしかないと考える人が多いようです。


この手法で動画をつくると画質がフィルムタッチだから、なんだかドキュメンタリーのように見えてリアリティがあり、作意を感じさせずに作為できることががこの手法の肝。この手法はとてもコストパフォーマンスの良い方法で、僕もよく採用する手法です。


あと、二次元アニメ

サービスや商品の特長を説明しなくてはならない時には「二次元アニメしかない」と考えるのもZ世代動画の特徴のようです。エントリー者向けに数多くのテンプレートや既製のピクトやモーションが用意されていて、いま動画クリエーターとして採用して欲しいと連絡をくれるフリーランスの人の多くが、この手法1本で食べていこうと考えています。


しかない

Z世代の動画クリエーターが全員がこれら「しかない」と考えているわけではありません。が「傾向」としてあるのは事実です。

他にも映像手法はたくさんあります。ただし、そのほかの多くの手法は技術も要るし、手間も掛かるし、勉強が要る。事前準備もたくさんあって、シナリオだって書かなくてはなりません。もしその「めんどう」を避けているのなら、とても残念です。


映像はめんどくさい

「映像」は作る側も細かい作業がたくさんあり、とてもめんどうなのですが、視聴者の側にも論理性や情緒を受け取る努力、集中力が必要で、めんどうなものです。でも、B2B映像は「仕事のために視聴する人」を対象としているので、少々めんどうでも情報が欲しい人こそ真のターゲットだとも言えます。

読書とよく似ていて、この「めんどう」があればこその、深み、味わいであり、それが共感を呼び、視聴者の気持ちを動かすのだと思います。残念ですが今は年配の人でも、表面的な雰囲気だけ見て「わかった」と思いたい人が多い時代。


ターゲットに合わせて「動画」か「映像」かを考える

こうした購買層が大きな部分を占めている以上、PRしたい商品の購買層がどのような嗜好を持ったプロフィールなのか、よく調査して、よく考える必要があります。WEB動画はどうしても再生数が気になってしまいますが、真のターゲットが再生する回数こそ大切です。

映像制作プロジェクトは、つくりたいのが「動画」であっても、ターゲットに合わせて企画を立て、メディアを選択することが何よりも大切になります。

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