動画・映像制作用語
【アフレコ】
A
afterrecording
アフレコとは、映像の撮影や作成を先に行い、その後から音声を収録する手法です。主に映画、アニメーション、ドラマなどの映像作品で広く使用されています。
アフレコの目的
アフレコが必要となる状況は様々です。例えば、屋外撮影時の環境音が大きすぎて台詞が聞き取りづらい場合や、撮影後にシナリオの変更があった場合などです。アニメーション制作においては、作画完了後に声優が映像に合わせて演技を行うのが一般的な手法となっています。
アフレコの工程
映像の確認: アフレコする映像を何度も確認し、セリフの内容や感情、タイミングなどを把握します。
録音: 音声収録ブースで、マイクに向かってセリフを録音します。
編集: 録音した音声と映像を同期させ、不要な部分をカットしたり、音声を調整したりします。
アフレコの注意点
リップシンク: 口の動きと音声のタイミングを合わせるリップシンクは、自然な映像を作る上で重要です。
感情表現: キャラクターの感情を理解し、それに合わせた演技をすることが求められます。
環境音: 周囲の音が入らないように、静かな環境で録音を行う必要があります。
意訳翻訳:役者/出演者が喋っている時間と口の動きに合わせた柔軟な翻訳が必要です。
【関連用語】
1. アテレコ
アフレコの中でも、特に既存のキャラクターや登場人物など「自分以外」の動きに対して、声を当てていく手法です。「当てる」という日本語が語源となっているこの技術は、様々な場面で活用されています。最も一般的な例が、海外映画やドラマの吹き替えです。原語の音声を別の言語に置き換える際、俳優の口の動きに合わせながら、自然な会話の流れを保つ必要があります。また、特撮作品におけるスーツアクターの演技に声を付ける場合や、動物の動きに人間の声を当てる場合なども、アテレコの一例です。ゲームやアニメーションのキャラクターに声を付ける作業も、広義のアテレコに含まれます。アテレコの特徴は、すでに存在する動きや表現に対して、声優が適切な演技を付け加えていくという点です。この過程では、オリジナルの演技や表現を理解し、それを損なわないように配慮しながら、新たな解釈や魅力を加えていく高度な技術が必要とされます。
2. プレスコ
アフレコとは逆の手順で制作を行う手法です。まず音声を収録し、その後でそれに合わせて映像を制作していきます。この方法は、特に海外のアニメーション制作で主流となっています。プレスコの大きな利点は、声優が自由に演技できることです。映像に縛られることなく、感情の起伏や間の取り方を自然に表現できるため、より生き生きとした演技が可能になります。また、音声が先にあることで、アニメーターは声の抑揚やリズムに合わせて、より細かい表情やモーションをつけることができます。日本のアニメ制作現場では、通常はアフレコが主流ですが、スケジュールの都合で映像が間に合わない場合などに、プレスコが採用されることもあります。この手法は、より自然な演技を実現できる一方で、後から映像を合わせる必要があるため、アニメーション制作により多くの時間と労力が必要となる特徴があります。
3. ダビング
一般に使用されるメディアをコピーする行為ではなく、完成した映像に音声を重ねる作業全般を指します。セリフの吹き替えはもちろん、効果音、BGM、ナレーションなどを追加する工程も含みます。作業は専用のスタジオで行われ、高品質な収録環境と正確な映像同期が必要です。特にアニメーション作品では、キャラクターの声をすべてダビングで収録するため、演技と映像の同期が特に重要になります。タイミングだけでなく、空間的な音の広がりや奥行き感も考慮した収録が求められます。