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動画・映像制作用語

【カラーグレーディング】

C

colourgrading

カラーグレーディングは異なるカメラや撮影環境、時間帯で撮影された素材の見た目を自然に統一し、色味の調整によって、作品の世界観や雰囲気、登場人物の心理、時代設定などを効果的に表現するためのものです。

1. 撮影時の技術的な課題解決

  • 異なるカメラで撮影したショットの統一

  • 天候や時間による光の変化の補正

  • 撮影環境による色ムラの修正

  • 露出の違いの調整

  • 異なる場所で撮影したシーンの統一感


2. 作品の世界観構築

  • 物語の時代や季節感の表現

  • 登場人物の心理状態の表現

  • シーンの雰囲気強調

  • 特定のジャンルらしさの演出(ホラー映画の暗い雰囲気、SFの未来的な色調、青春映画の明るい印象など)


3. 演出意図の強化

  • 緊張感の演出

  • 回想シーンの表現

  • 場面転換の明確化

  • 感情表現の補助

  • 時間経過の表現


4. 視聴環境への最適化

  • 映画館での上映用調整

  • テレビ放送用の調整

  • 配信プラットフォーム用の調整

  • 各種デバイスでの視聴を考慮


5. ブランディング

  • 作品独自の視覚的特徴の確立

  • シリーズ作品の統一感

  • 制作会社やクリエイターの個性表現


カラーグレーディングは単なる色補正だけでなく、作品の質と表現力を高める重要な工程として必要とされています。ただし、過度の色調補正は視聴者に悪印象を与えることがあるので注意が必要です。

カラーグレーディング

​【関連用語】

1. プライマリー


映像全体に対して行う基本的な色調整作業です。露出、コントラスト、色相、彩度などの基本的な要素を調整し、映像全体のトーンを整えます。複数のカメラで撮影された素材の色調を統一したり、全体的な明るさのバランスを取ったりする際の最初のステップとなります。作品全体の基調となる色味や質感を決定する重要な工程で、続くセカンダリーの土台となります。



2. セカンダリー


映像の特定の部分や色相に対して行う細かな色調整作業です。肌色の調整、空の色の強調、特定の物体の色の補正など、部分的な調整を行います。マスクやキーイングを使用して調整範囲を限定し、より詳細な色彩表現を実現します。プライマリーで作られた基本的なルックの上に、さらに細かな表現を重ねていく作業となります。



3. LUT(ルック・アップ・テーブル)


色変換の設定を保存したデータテーブルです。特定の色調整の組み合わせを保存し、他のショットに適用することで、効率的な色調整を実現します。撮影現場でのモニタリング用のLUTや、ポストプロダクションでの仕上げ用のLUTなど、工程に応じて使い分けます。作品全体の統一感を保つための重要なツールとなっています。



4. スコープ


映像信号の状態を視覚的に確認するためのツールです。波形モニター、ベクトルスコープ、ヒストグラムなどがあり、映像の輝度や色度を数値的に確認できます。放送規格内での調整や、HDR対応など、技術的な品質管理に不可欠なツールです。感覚的な調整だけでなく、客観的な数値に基づいた正確な調整を可能にします。



5. パワーウィンドウ


映像の特定の領域を選択して調整を行うためのツール。円形、四角形、多角形などの形状で範囲を指定し、その内部だけを調整することができます。人物の顔の明るさを調整したり、背景の一部を暗くしたりするなど、細かな演出効果を付加する際に使用します。形状のアニメーションも可能で、動く被写体に追従した調整も行えます。

 

 

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