動画・映像制作用語
【カット】
C
cut
「カット」とは、カメラを止めて撮影を中断すること、または複数の映像を繋ぎ合わせる際の切り替え点を指します。撮影現場では監督が「カット!」と指示し、編集では異なるシーンを繋ぎ合わせる際に使われます。
簡単に言うと、映像の区切りや繋ぎ目のことを「カット」と言うことができますが、映像撮影における「カット」には、主に以下の2つの意味があります。日本ではこの「カット」と「ショット」が混同されて使われることが多いです。
1. 撮影の終了
カメラを止めること
監督が「カット!」と叫ぶことで、撮影が終了することを意味します。
1つのショットの終了
1つのシーンを撮影する際、カメラを一度止めると、その撮影区間を1つの「ショット」と呼びます。
2. 編集における切り替え
映像の繋ぎ目
複数のショットを繋ぎ合わせる際に、それぞれのショットの終わりと次のショットの始まりが接する部分のことを「カット」と呼びます。
編集行為
複数のショットを繋ぎ合わせる編集作業そのものを指す場合もあります。
補足
ワンカット: 1つのシーンをカメラを一度も止めずに撮影することを「ワンカット」と言います。
カット割り: どのように映像をカットして繋ぎ合わせるかの設計図を「カット割り」と言います。
例
「監督が『カット!』と叫び、撮影が終了した。」(撮影の終了)
「このシーンは、複数のカットで構成されている。」(編集における切り替え)
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【関連用語】
1. マスターショット
シーン全体を一つの広いショットで撮影したカットを指します。通常、シーンの冒頭で撮影され、登場人物全員の位置関係や空間全体を把握できる画角で撮られます。編集時の基準となるショットとして重要で、これに続くカットはマスターショットを基準に構成されていきます。特に複数の出演者が登場するシーンでは、演技の連続性やタイミングを確保する上で重要な役割を果たします。また、予期せぬ編集上の問題が発生した際の保険としても機能します。
2. インサートカット
主要なアクションの間に挿入される短い補足的なショットです。例えば、時計の文字盤、手紙の文面、ドアノブを掴む手元など、詳細な情報や重要な小道具を見せるために使用されます。主要なカットの間に編集で組み込まれ、物語の展開や心理描写を補強する役割を果たします。また、カットとカットの接続を自然にするためのつなぎとしても使われ、編集のリズムを整える効果もあります。
3. ブリッジカット
異なるシーンやカットを自然につなぐために使用される中継的なショットです。例えば、街並みのショットや時計の映像など、場面転換や時間経過を示すために使用されます。視聴者の理解を助け、物語の流れをスムーズにする効果があります。また、異なる場所や時間への移行を違和感なく行うために重要な役割を果たし、作品全体のペース配分にも影響を与えます。
4. リアクションショット
他の登場人物やイベントに対する反応を捉えたカットです。主要なアクションを見ている人物の表情や態度を撮影し、感情的な反応や心理的な変化を表現します。特に会話シーンでは、話している人物だけでなく、聞いている人物の反応も重要な情報となります。編集時には、アクションとリアクションの適切なバランスとタイミングが重要で、シーンの緊張感や感情の機微を伝える上で効果的です。
5. エスタブリッシングショット
シーンの冒頭で使用される、場所や状況を確立するための広角のカットです。建物の外観や街並み、部屋全体など、これから展開される場面の舞台を示します。視聴者に場所や時間帯、雰囲気などの情報を提供し、続くシーンへの導入として機能します。物語の展開上、重要な位置づけとなる場所を印象付けたり、場面転換を明確にしたりする効果があります。