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動画・映像制作用語

【ノンリニア編集】

N

nonlinear

「ノンリニア」は、コンピュータを用いて、映像や音声データを自由に組み合わせて編集する手法です。20世紀に行われていたビデオ編集技術である「テープ編集」の対語として用いられます。

現在ではテープ編集を行おうにも、使用できる機材が稀有となっているため、映像編集といえばノンリニア編集のことを指すと言って差し支えありません。



なぜ「ノンリニア」なのか


リニアと聞くと、リニアモーターカー(リニア新幹線)を連想しますが、このリニアモーターは我々が普通に知っている、回転するモーターに対して、直線的に動くモーターで走るので Linear Motor Carと呼ばれます。

いっぽう、ノンリニア= Non-linearという言葉は、日本語に直訳すると「非線形」という意味になります。これはつまり線的ではない、線として繋がっていないという意味です。


テープ編集は、テープに順番に記録された映像を順番に編集していく線的な作業であるため、リニア(線的)編集であり、一度編集した箇所を戻って修正するのは非常に手間がかかりました。

しかし、ノンリニア編集では、コンピュータ上で映像や音声をデジタルデータとして扱い、時間軸(線)を自由に切り刻み、飛び越えて編集できるため、自由度が格段に高く、効率的な編集が可能になりました。



ノンリニア編集の注意点


  1. 撮影素材などのデータを、素材分類ごとにファイル名を工夫し、几帳面にフォルダに分け、保存管理しないと、後日、ないしは別な人がプロジェクトを開いたときに、手をつけられない事態が起こります。

  2. 小さな修正作業でも、必要に応じて原初のプロセスまで戻って作業をしないと、追加の修正指示が出たときに返って二度手間になることがあります。

  3. 無意識のうちに⌘Zなどを操作することがあり、修正したはずのところが元に戻っていることがありますので、クライアント試写時には必ず全編をチェックする必要があります。

  4. 3と同様に、ファイル名の指定を間違えてタイムラインが古いデータをリンクで拾い上げることがあるため、クライアント試写時には必ず全編をチェックする必要があります。



ノンリニア編集ソフトの例


  • Adobe Premiere Pro: プロフェッショナル向けのハイエンドなソフトウェア

  • Final Cut Pro: Macユーザーに人気のソフトウェア

  • DaVinci Resolve: 色調補正機能に強みを持つソフトウェア

  • Avid Media Composer: 映像制作現場で広く使われているソフトウェア

【当サイト関連ブログ】

ブログカテゴリー「編集について」

ノンリニア編集

​【関連用語】

1. タイムライン


ノンリニア編集ソフトの画面で、映像や音声などの素材を並べて編集する水平方向の線のことです。タイムライン上で、素材の開始点や終了点、エフェクトの適用範囲などを視覚的に確認し、編集作業を行います。



2. シーケンス


編集したクリップを時系列に並べた一連の流れのことです。ノンリニア編集では、複数のシーケンスを同時に作成・編集することができ、バージョン管理や部分的な編集作業を効率的に行うことができます。シーケンス内では、ビデオトラック、オーディオトラック、エフェクトなどを自由に組み合わせることが可能で、複雑な多層構造の編集も可能です。また、シーケンス同士を入れ子構造にすることで(ネスト機能)、より柔軟な編集作業が実現できます。



3. クリップ


映像や音声などの個々の素材を指します。タイムライン上に配置することで、編集の対象となります。



4. トリム


クリップの開始点や終了点を調整し、不要な部分を切り取る作業のことです。



5. トランジション


クリップとクリップの間を繋ぐ効果のことです。フェードイン、フェードアウト、ワイプなど、様々なトランジションが用意されています。



6. クリップビン(Clip Bin)


ノンリニア編集システムで使用する素材を管理・整理するための仮想的な保管場所です。取り込んだ映像、音声、静止画などの素材をフォルダ構造で整理し、効率的に検索・選択できるようにします。素材には metadata(撮影日時、カメラ情報、キーワードなど)を付加することができ、大量の素材を効率的に管理することが可能です。また、ビン内の素材はプロジェクト間で共有することもでき、複数の編集者が同時に作業する環境でも重要な役割を果たします。最新のシステムでは、AI を活用した自動タグ付けや顔認識機能なども実装され、素材管理の効率が更に向上しています。



7. プロキシ編集(Proxy Editing)


高解像度の素材を一時的に低解像度のプロキシファイルに変換して編集する手法です。4K や 8K といった大容量データの編集をスムーズに行うために重要な機能です。元素材とプロキシファイルはリンクされており、最終書き出し時には自動的に高解像度素材が使用されます。これにより、比較的低スペックのコンピュータでも快適な編集作業が可能になります。クラウドベースの編集システムでは特に重要で、ネットワーク負荷を軽減しながらリモート編集を実現する技術として注目されています。



8.. エッジコード(Edge Code)


デジタイズされた素材の時間情報を管理するためのコードです。タイムコードと異なり、フレーム単位での正確な位置情報を提供し、オリジナル素材との関連付けを維持します。ノンリニア編集では、このエッジコードを基に素材の管理や再編集を行うことができ、オフライン編集からオンライン編集への移行時にも重要な役割を果たします。また、複数カメラでの撮影素材の同期や、音声との同期にも活用され、正確な編集作業を支援します。



9. プロジェクトファイル(Project File)


編集内容のすべての情報を保存する中核となるファイルです。素材の配置情報、エフェクトの設定、トランジション、オーディオミックス、カラーコレクションなど、作品を構成するすべての要素が記録されています。実際の素材ファイルとは別に管理されるため、プロジェクトファイルのサイズは比較的小さく、バックアップや共有が容易です。最新のシステムでは、自動バックアップ機能や、クラウドでの共有機能なども実装され、より安全で効率的な制作環境を実現しています。

 

 

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