動画・映像制作用語
【ドリー】
D
dolly
「ドリー」とは、移動ショットを撮影するためにカメラを乗せてスムーズに移動させる車輪付きの台車のこと、ないしはそれを使って撮影する行為を指します。
ドリーは原則的に水平方向の移動ショットを撮影する、道具ないしはその撮影法のことです。
移動ショットは、人や車の移動視点から見た映像のような映像となり、映像作品の流れに変化をつけ、意図を加えることができます。
ドリーには、様々な種類があります。
三脚ドリー
三脚の脚に対応した3点支持構造の最も簡易なドリー。小回りが利き、狭い場所でも使用できます。折りたためるものもあり、コンパクトに持ち運びできます。安定性が低いため、転倒に注意が必要です。
4輪タイヤドリー
安定性に優れており、スムーズな移動が可能です。基本的に人力で押しますが、専用のものはカメラマンとアシスタントが同乗することもでき、複雑で微妙な動きの移動ショット撮影が可能になります。
レールドリー
鉄道のようなレールに滑車付きの台車を乗せ、その上にカメラ(三脚)とカメラマンが乗るもの。さらに台車にクレーンを取り付けたものなどがあります。
クレーンドリー
クレーンとレールドリーを組み合わせたもので、より自由なカメラワークが可能です。
多くのドリーのための器具は、安定性を確保するため重量があり、大きさもあるため、運搬や設営のための貨物自動車やスタッフが必要です。またオペレーションスタッフも必要であることから、撮影、ロケーションは綿密な準備が必要です。
企業PRビデオの撮影などで、機材、スタッフ、時間が限られている場合にも、例えば工場の撮影などでは、物資の運搬にしようしている大型の台車などを拝借できれば、簡易的な移動撮影が可能になります。今は編集のスタビライズ機能が優れているため、十分に使用可能なショットを撮影できることがあります。
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【関連用語】
ドリー撮影を実現するために使用される主な道具は以下の通りです。
1. ドリーレール (Dolly Track)
ドリーをスムーズに走らせるために敷かれるレールです。
直線レールだけでなく、カーブを描くレールもあります。
ドリーの移動距離や撮影アングルに合わせて、必要な長さを設置します。
2. クレーン (Crane)
カメラを高い位置に持ち上げたり、上下に移動させたりするための機材です。
ドリーに取り付けて使用する場合もあります。
俯瞰撮影や、ダイナミックなカメラワークを実現するのに役立ちます。
3. ジンバル (Gimbal)
カメラを安定させるための装置です。
手持ち撮影や、動きのある撮影でも、ブレを軽減することができます。
ドリーと組み合わせて使用することで、よりスムーズで安定した映像を撮影できます。
4. ドローン
被写体に対して直線的な移動撮影をした素材に対して、編集時にエフェクトによるズームイン、ズームアウトを使用して被写体の大きさを一定にすると、ドリーズーム同様の効果が得られます。
5. スライダー
レールドリーの小型版です。軽量なカメラを水平ないしは斜め方向に対して滑らかにカメラを移動させることができ、シネマティック動画の定番撮影法のひとつになっています。