動画・映像制作用語
【フレームレート】
F
flamerate
フレームレートとは、1秒間に表示される静止画(フレーム)の数のことで、fps(frames per second)という単位で表現されます。
代表的なフレームレート
24fps映画標準
30fps: テレビ放送(NTSC方式)標準
60fps: ゲームやスポーツ映像によく使用
120fps以上: ハイスピードカメラ、スローモーション撮影
特徴と影響
1. 滑らかさ
高いフレームレート → よりなめらかな動き
低いフレームレート → 動きがぎこちなく見える
2. 用途による使い分け
映画:24fps(映画らしい見た目)
ゲーム:60fps以上(快適な操作感)
スポーツ中継:60fps(動きの細部が見やすい)
3. データ量への影響
フレームレートが高いほどデータ量が増加
保存容量やネットワーク帯域に影響
4. 処理負荷
高フレームレートほど機器への負荷が大きい
撮影・編集・再生時の性能要件が上がる
フレームレートの選択は、制作目的や配信環境、視聴デバイスの性能などを考慮して決定されます。
【関連用語】
1. ドロップフレーム
29.97fpsなど、端数のあるフレームレートでタイムコードを扱う際の時間調整方式です。30fpsのタイムコードから一定の法則で特定のフレーム番号を飛ばすことで、実時間との誤差を補正します。主に放送用途で使用され、1時間あたり約108フレームを飛ばすことで時間のずれを解消します。長時間の収録や放送で実時間との同期が必要な場合に重要となり、特にNTSC方式の映像システムで標準的に使用されています。
2. プルダウン
24fpsの映画フレームレートを30fpsのテレビフレームレートに変換する技術です。2-3プルダウンとも呼ばれ、2フレームと3フレームを交互に挿入して変換します。映画コンテンツをテレビ放送する際に必要な処理ですが、動きのカクつきなどの画質劣化を伴うため、近年ではプログレッシブ放送の普及により、使用機会は減少しています。
3. ハイフレームレート
60fps以上の高速なフレームレートでの撮影・再生を指します。スポーツ中継やアクション性の高いコンテンツで使用され、滑らかな動きの表現が可能です。120fps、240fpsなど、さらに高速なフレームレートも実用化されています。データ量が増大するため、記録媒体や伝送帯域の確保が重要な課題となり、撮影から出力まで一貫した対応が必要です。
4. バリアブルフレームレート
撮影時にフレームレートを可変させる機能です。通常の速度から高速撮影まで、シーンに応じて最適なフレームレートを選択できます。スローモーションやクイックモーションの表現を撮影時に作り込むことが可能で、特にドラマやCMの演出で重要な技術として使用されています。編集時の時間調整とは異なる、独特の質感を得られます。
5. フレーム補間
既存の映像に中間フレームを生成して挿入する技術です。低フレームレートの映像をより滑らかに再生するために使用され、特にスポーツ中継やゲーム映像で効果を発揮します。AI技術の発展により、より自然な補間が可能になっていますが、不自然な動きが生じる可能性もあり、コンテンツの性質に応じた適切な使用が求められます。