動画・映像制作用語
【フリップ】
F
flip
フリップとは、テレビ番組などで出演者が示しながら解説する図や文字などを書いたボードのことです。近年では二次元CGなので直接画面に表示することが多くなりましたので、出演者がない動画コンテンツではほとんど使用しません。
フリップの役割
視覚的な説明: 複雑な内容を図やグラフを用いて視覚的に分かりやすく説明する。
情報の提示: 文字や数字で情報を簡潔に提示する。
視聴者への訴求: 印象的なデザインやイラストで、視聴者の興味を引きつけたり、記憶に残るような情報を提供する。
フリップの種類と使い方
フリップには、様々な種類や使い方が存在します。
ボードの種類: スチレンボード、イラストボードなど、素材や厚さ、大きさが異なる様々なボードが使用されます。
デザイン: 文字や図、イラストなどを組み合わせ、目的に合わせたデザインを作成します。
使い方:カメラの前で表示: カメラで撮影し、映像の中に取り込む。
出演者が持ちながら説明: 出演者がフリップを持ちながら、内容を説明する。
背景として使用する: 背景にフリップを置き、雰囲気を出す。
フリップを使う理由
視覚的に分かりやすい: 文字だけでは伝わりにくい情報を、図やグラフを用いて視覚的に表現できる。
記憶に残りやすい: 印象的なデザインやイラストは、視聴者の記憶に残りやすい。
フリップが避けられる時
準備に時間がかかる: デザインの作成やボードへの貼り付けなど、準備に時間がかかる場合がある。
デジタル化との比較: デジタルコンテンツに比べて、修正が難しい場合がある。
フリップの活用例
テレビ番組: ニュース番組での解説、クイズ番組の解答表示など
プレゼンテーション: 企業説明会、セミナーなど
教育現場: 授業での説明、ポスター発表など
【関連用語】
1. プロンプター (Prompter)
カメラのレンズ前に設置される特殊なモニター装置で、ハーフミラーを通してスクリプトやキューを表示します。主にニュース番組やスタジオ収録で使用され、出演者が原稿を読みながらカメラ目線を維持することを可能にします。スクロールスピードは専門のオペレーターが出演者の読み上げペースに合わせて調整します。最近のシステムでは、タブレットやスマートフォンを利用した小型プロンプターや、リモートコントロール機能を備えたものも普及しています。特に生放送では、原稿の急な変更にも対応できる柔軟性が重要で、バックアップシステムの準備も必要です。また、反射光や映り込みを防ぐための調整も重要な技術ポイントとなります。
2. イメージフリップ (Image Flip)
映像を水平・垂直方向に反転させる処理を指します。撮影時に意図的に反転させて収録したり、編集時に画面効果として使用したりします。特殊な撮影セットアップ(ミラーリグやプロンプター使用時など)では、正しい向きで収録するために自動的なフリップ処理が必要になることがあります。また、VFX作業においても、合成素材の向きを調整するためにフリップ処理が多用されます。デジタルシステムでは、リアルタイムでのフリップ処理が可能で、モニタリング時の確認や、ライブ配信での使用も一般的になっています。
3. カンペボード (Cue Board)
出演者に向けて表示する紙やボードに書かれた台詞、質問、指示などを指します。特に生放送やトーク番組で多用され、カメラに映らない位置で視認性の高い文字サイズと配色で表示します。複数の出演者がいる場合は、それぞれの視線の方向を考慮した配置が必要です。最近では電子ディスプレイを使用したデジタルカンペも増えており、遠隔での内容更新や、複数箇所での同時表示が可能になっています。ただし、機器トラブルに備えて、従来の紙カンペもバックアップとして用意することが一般的です。