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動画・映像制作用語

【フォーカスプル-プルフォーカス】

F

focuspull

ピントを意図的に移動させる技法を「フォーカスプル」といいます。

効果

  • 視聴者の視線を誘導: ピントが合っている部分に視聴者の視線を集中させる。

  • 感情表現: 被写体の感情の変化を表現する。

  • 物語の展開: 物語の転換点や重要な場面で効果的に使用できる。


種類

  • ラックフォーカス: 複数の被写体に順番にピントを合わせる。

  • プルフォーカス: 一つの被写体から別の被写体にピントを滑らかに移動させる。


活用例

  • ポートレート: 人物の顔と背景の間をピントを移動させることで、人物の表情や感情を強調する。

  • ドラマ: 二人の人物の間でピントを移動させることで、二人の関係性を表現する。

  • ミュージックビデオ: 歌詞の内容や曲調に合わせて、ピントを動かすことで視覚的な表現を豊かにする。


注意点

  • ピント速度: ピントの移動速度によって、与える印象が変わる。ゆっくりとした動きは、落ち着いた雰囲気を、速い動きは、動的な雰囲気を与える。

  • ピントの移動方向: ピントを移動させる方向によって、視聴者の視線も移動する。意図的に視線を誘導することで、より効果的な表現が可能になる。


フォーカスプルは、映像に奥行きや動きを与える効果的な手法です。適切なタイミングでピントを移動させることで、より印象的な映像を作ることができます。

フォーカスプル-プルフォーカス

​【関連用語】

1. ラック(Rack Focus)


被写体間でピントを意図的に移動させる技法です。フォーカスプルと似ていますが、より制御された形で行われます。例えば、手前の被写体から奥の被写体へとピントを移動させる際によく使用されます。現場では「ラック」という短い言葉で指示が飛びます。特にドラマやCMで重要なカットの演出として使われ、ストーリーの展開や感情の変化を表現する手段として効果的です。デジタルカメラの普及により、オートフォーカスでも実現可能になりましたが、より繊細な表現を求められるシーンでは、依然としてマニュアルでの操作が好まれています。また、最近では事後編集でも似た効果を付けられますが、撮影時の実際のラックフォーカスの方が自然な印象を与えられると考えられています。



2. シャロー(Shallow Focus)


被写界深度を極端に浅くして撮影する手法です。フォーカスプルの効果をより強調したい場合や、特定の被写体を際立たせたい場合に使用されます。大口径レンズを使用し、絞りを開放に近い状態で撮影することで実現します。背景のボケを活かした映像表現として人気があり、特に人物撮影やドラマの重要なシーンで多用されます。技術的には難しい撮影手法で、動きのある被写体の場合は特に高度なフォーカス技術が要求されます。



3. パンフォーカス(Pan Focus)


パンフォーカス(Pan Focus)は、画面全体にピントを合わせる撮影技法です。前景から背景まで、すべての被写体をクリアに見せることができ、深い被写界深度を持つ映像を実現します。一般的に絞り値を深く(F8やF11など)設定し、広角レンズと組み合わせることで実現されます。深い被写界深度を得るために絞りを絞る必要があるため、十分な光量が必要となります。そのため、屋外撮影や十分な照明設備がある環境での撮影に適しています。デジタルカメラの登場により、比較的容易に実現できるようになりましたが、センサーサイズが大きいカメラでは、より深い絞り値が必要となる傾向があります。



4. プルフォーカス(Pull Focus)


フォーカスプルの別称で、意図的にピントを外していく技法です。例えば、シーンの終わりで徐々にピントを外していき、次のシーンへの転換を演出する場合などに使用されます。感情の高ぶりや意識の混濁、夢からの覚醒といった心理的な表現としても効果的です。スピード調整が重要で、ゆっくりとしたプルフォーは物思いにふける様子を、急激なプルフォーは衝撃的な展開を表現するのに使われます。


 

 

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