動画・映像制作用語
【画角】
G
gakaku
画角とは、カメラのレンズを通して見える範囲を角度で表したものです。簡単に言えば、レンズを通してどれだけの範囲を捉えることができるかを示す指標です。画角は、レンズの焦点距離によって決まり、焦点距離が短いレンズほど画角が広く、焦点距離が長いレンズほど画角が狭くなります。
画角の種類
水平画角: レンズの中心から水平方向に見たときの画角
垂直画角: レンズの中心から垂直方向に見たときの画角
対角線画角: レンズの中心から対角線方向に見たときの画角
一般的に、レンズの仕様に記載されている画角は、この対角線画角を指すことが多いです。
画角と映像表現の関係
画角によって、映像の印象は大きく変わります。
広角レンズ (画角が広い):
被写体を大きく見せ、遠近感を強調する。
広い範囲を一度に捉えることができるため、風景写真や建築写真などに適している。
周辺が歪みやすい。
標準レンズ (画角が標準):
人間の目で見たときの視界に近い。
自然な歪みが少なく、様々なシーンで使いやすい。
スナップ写真やポートレートなど、幅広い用途に使える。
望遠レンズ (画角が狭い):
遠くの被写体を大きく捉えることができる。
背景をぼかして被写体を際立たせることができる。
スポーツ写真や野生動物の撮影などに適している。
画角を選ぶ際のポイント
撮影する被写体: 被写体の大きさや距離、表現したい雰囲気に合わせてレンズを選びましょう。
撮影する場所: 屋内か屋外か、広角な場所か狭い場所かなど、撮影環境に合わせてレンズを選びましょう。
表現したい雰囲気: 広角レンズでダイナミックな映像を表現したり、望遠レンズで被写体をクローズアップしたり、表現したい雰囲気に合わせてレンズを選びましょう。
【関連用語】
1. レンズ焦点距離
カメラのレンズ中心から結像面(撮像素子やフィルム)までの距離を指します。焦点距離が短いほど広角に、長いほど望遠になり、画角に直接影響を与えます。例えば、35mm判カメラでは、50mmが標準レンズ、35mm以下が広角レンズ、85mm以上が望遠レンズとされます。焦点距離の選択は、被写体との距離感や空間の表現、遠近感の演出に大きく関わります。また、ズームレンズでは可変式の焦点距離を持ち、一本のレンズで多様な画角に対応できます。
2. アスペクト比
映像の横と縦の比率を表す数値です。画角と密接に関係し、映像の構図や視覚的な印象に大きく影響します。一般的な比率として16:9(現代のテレビ放送やデジタル映像)、4:3(古いテレビ規格)、2.35:1(シネマスコープ)などがあります。作品のターゲットとなる媒体や意図する表現によって選択され、撮影時の画角設定にも影響を与えます。近年ではSNS向けの縦型映像など、新しいアスペクト比も登場しています。
3. 被写界深度
ピントが合っている範囲の前後の深さを指します。画角と絡めて重要な要素で、レンズの絞り値、焦点距離、被写体との距離によって変化します。浅い被写界深度(ボケが大きい)は被写体を際立たせる効果があり、深い被写界深度は風景全体をくっきりと映し出します。特に映画やドラマでは、この特性を活かして観客の注目点を制御したり、心理描写を表現したりします。
4. フレーミング
画角内での被写体の配置や構図を決める技術です。三分割法や黄金比などの構図理論を基に、被写体の大きさや位置、背景との関係性を考慮して決定します。また、ルーム(視線の先のスペース)の確保や、動きのある被写体に対する余白の取り方なども重要な要素となります。フレーミングの選択は、作品の視覚的な印象や物語の展開に大きく影響を与えます。
5. カメラアングル
カメラの設置位置や向きによって決まる撮影角度です。画角と組み合わせることで、様々な視覚効果を生み出します。アイレベル(目の高さ)、ハイアングル(見下ろし)、ローアングル(あおり)などの基本的なアングルに加え、ダッチアングル(傾斜)なども表現手法として使用されます。アングルの選択は、被写体の印象や心理描写、シーンの緊張感などに大きく影響を与えます。