動画・映像制作用語
【引き】
H
hiki
「引き」は、被写体から離れて撮影することで、広大な風景や全体の状況を捉える撮影技法です。被写体との距離感を生み出し、状況全体を把握させたい時に有効です。
例えば、自然風景の撮影では、広大な大地や雄大な山々を捉えることで、そのスケールの大きさを表現できます。また、群衆の動きやイベント全体の雰囲気を捉える際にも、引きの構図は効果的です。
目的・効果
状況全体の把握
広大な風景、群衆、イベント会場など、広範囲な被写体を一度に捉えることができます。視聴者は、まるで鳥が空から見下ろしているかのような感覚で、全体の状況を把握できます。
空間の広がり
広角レンズを使用することで、より広い範囲を捉え、空間の広がりを強調することができます。例えば、自然風景の撮影では、雄大な山々や広大な海を表現し、視聴者に開放感を提供できます。
客観的な視点
被写体との距離を置くことで、客観的な視点から状況を捉えることができます。例えば、デモの様子を撮影する際、引きの構図を用いることで、全体の状況を冷静に分析することができます。
【関連用語】
1. 寄り
被写体に近づいて撮影することで、その細部や表情をクローズアップにする技法です。被写体の感情や特徴を際立たせ、視聴者の視線を一点に集中させる効果があります。「寄り」の画を撮るには、被写体に対してカメラ自体が近づく場合と、レンズの倍率で近づく方法があります。
2. 俯瞰
上から見下ろすように撮影する技法です。被写体を俯瞰することで、その全体像を把握しやすく、状況を客観的に捉えたい時に有効です。例えば、都市の風景を撮影する際、高層ビル群を俯瞰することで、その都市の広がりや構造を表現できます。また、群衆の様子を俯瞰することで、その動きの流れや全体的な状況を把握できます。
3. 鳥瞰
空から見下ろすように撮影する技法です。俯瞰よりもさらに高い位置から撮影することで、より広大な範囲を捉え、鳥の目線で被写体を見ることができます。例えば、自然風景の撮影では、大地や河川が織りなすパノラマ風景を表現できます。また、都市の開発状況や災害現場の広範囲な様子を捉える際にも、鳥瞰の構図は有効です。
4. あおり
カメラを上に向けたり下に向けたりして、被写体を斜めから撮影する技法です。被写体に動的な動きを与え、躍動感や不安感を表現できます。例えば、人物のアップショットでカメラを下からあおることで、その人物を威圧的に表現できます。また、建物を下からあおることで、その建物の高さを強調し、壮大な雰囲気を演出できます。
5. たたく
一般的にカメラを下に向けて撮影することを指します。まるでカメラのレンズを上から叩いて下に向けるようなイメージから、この表現が生まれたと考えられます。「少し叩き気味で・・・」というように使い、大きな角度で下に向ける時には使わないような気がします。