動画・映像制作用語
【インサート】
I
insert
インサートとは、主となる映像や場面の途中に、別の映像を挿入(insert)することを指します。挿入される映像のことを「インサート映像」や「インサートカット」と呼びます。
インサートを使う目的
1. 補足説明のため
メインの映像に関連する詳細情報や状況を示す映像を挿入 例:インタビュー中の人物が話題にしている場所や出来事の映像
2. 時間の経過や場面転換を示すため
異なる時間や場所への移行を表現 例:街並みやランドマークのショット
3. 感情や雰囲気を強調するため
象徴的な映像を挿入して印象を深める 例:登場人物の心情を表現する自然景観など
3. ストーリー展開の補強のため
伏線や関連する過去の出来事の映像 例:回想シーンや関連する過去の場面
当サイトのブログ記事:インサートの基本と要点
インサートの例
ニュース番組: インタビュー映像中に、取材場所の風景や資料の画像を挿入する。
ドキュメンタリー: 歴史的な映像や地図を挿入して、解説を分かりやすくする。
ドラマ: 主人公が見ている夢のシーンや、過去の回想シーンを挿入する。
映画: 商品のアップ、時計の針、手紙など、物語の重要な要素をクローズアップで映す。
インサートの効果
視覚的な情報伝達: 文字や図を挿入することで、視聴者に情報をより分かりやすく伝えることができます。
物語の深化: 過去の回想シーンや夢のシーンを挿入することで、キャラクターの心情や物語の背景を深く理解することができます。
映像の面白さの向上: 予想外のインサートは、視聴者の興味を引きつけ、映像をより面白くすることができます。
【関連用語】
1. カットアウェイ(Cutaway)
メインの映像から一時的に別のショットに切り替えることを指します。インサートの一種ですが、特に会話や動作の途中で、関連する別の対象を見せる場合によく使われます。例えば、人物の会話中に相手の反応を見せたり、行動の結果を示したりする際に使用します。視聴者の理解を助け、シーンに奥行きを持たせる効果があります。
2. カットイン(Cut-in)
映画やテレビで、ある場面に別の短い場面を挿入すること
テレビ局で、突発的な事件や事故、重大な政府報道などによって予定していた番組を変更して、臨時番組を放送すること
演劇で、照明や音響を急に切り替えること
音楽で、再生している曲から、瞬時に次の曲へ切り替えるテクニック
映像制作用語ではひとつの流れの映像に、途中で別の画面を割り込ませたり挿入することをカットインといいます。カットとカットを直接つなげることで、ワイプやフェードインなどの手法とは異なります。
3. Bロール(B-roll)
メインの映像(Aロール)を補完する二次的な映像素材のことです。インタビューや説明映像の背景として使用される風景、施設、作業風景などが該当します。ドキュメンタリーや報道番組でよく使用され、視聴者の理解を深め、視覚的な興味を維持する役割を果たします。
4. エスタブリッシング・ショット(Establishing shot)
シーンの冒頭で使用される、場所や状況を説明するための広角なショットです。建物の外観や街並み、部屋全体などを映すことで、これから展開される場面の空間的・時間的な文脈を視聴者に提供します。その後のインサートの理解を助ける重要な役割を果たします。
5. リアクション・ショット(Reaction shot)
ある出来事や発言に対する人物の反応を映したショットです。メインの映像やセリフの途中に挿入され、登場人物の感情や状況の重要性を強調します。演技や表情を通じて物語に感情的な深みを加え、視聴者の共感を引き出す効果があります。