動画・映像制作用語
【ロケハン】
L
locationhnuting
ロケハンは「ロケーションハンティング」の略で、ドラマや映画の撮影場所を探す作業のことを指します。脚本に書かれた世界観や情景を実際に再現できるような場所を、現地調査を行いながら探し出す作業です。
ロケハンの目的
脚本の世界観の実現: 脚本に書かれた情景をできるだけ忠実に再現するため、物語の舞台となる場所を探します。
撮影の効率化: 事前にロケハンを行うことで、撮影当日のスムーズな進行に繋がります。
作品の質向上: 適切な撮影場所を選ぶことで、作品のリアリティや説得力を高めることができます。
ロケハンの進め方
脚本の分析: 脚本を丁寧に読み込み、撮影場所に関する情報を収集します。
候補地のリストアップ: 脚本の情報に基づいて、候補地をリストアップします。
現地調査: 候補地を実際に訪れ、場所の雰囲気、光量、音響環境などを確認します。
許可交渉: 必要に応じて、土地の所有者や管理者に対して撮影許可の交渉を行います。
最終決定: 複数の候補地の中から、最も適した場所を決定します。
ロケハンで考慮する点
季節: 物語の季節に合った風景であるか。
時間帯: 撮影したい時間帯の光の状態や、周囲の状況。
天候: 天候の影響を受けにくい場所であるか。
アクセス: 撮影機材やスタッフの移動が容易な場所であるか。
周辺環境: 撮影に支障となるような騒音や振動がないか。
予算: ロケーション費用や交通費など、予算内で収まる場所であるか。
ロケハンで苦労する点
理想の場所が見つからない: 脚本に書かれた通りの場所を見つけるのは、非常に難しい場合があります。
許可交渉: 土地所有者や管理者の許可を得るのが困難な場合もあります。
天候に左右される: 外での撮影の場合、天候に左右され、撮影スケジュールが変更になることがあります。
【関連用語】
1. シナハン(シナリオハンティング)
脚本の背景となる資料や情報を集めるリサーチ活動を指します。ロケハンが撮影場所を探す作業なのに対し、シナハンは脚本の内容に関係する取材や調査を行う作業です。得られた情報は、脚本の具体的な描写や設定、セリフなどに反映され、作品のリアリティを高めることにつながります。また、特に実在の出来事や人物がモデルとなる場合は、法的・倫理的な確認も含まれます。
2.リサーチャー
映像作品の制作において、必要な情報や資料を収集・調査する専門職です。企画段階から完成まで、作品に関わる様々な調査業務を担当します。主な業務として、文献調査、インターネットリサーチ、現地取材、専門家へのインタビュー、資料収集などがあります。
特にドキュメンタリーや実話に基づく作品では、歴史的事実の確認、統計データの収集、科学的知見の調査など、正確な情報収集が重要となります。また、フィクション作品でも、リアリティのある描写のために、専門分野の調査や時代考証なども行います。
収集した情報は、脚本家、監督、プロデューサーなどの制作スタッフに提供され、作品の信頼性と質の向上に貢献します。また、著作権や肖像権、個人情報など、法的な観点からの確認も重要な業務となります。
デジタル化が進んだ現代では、インターネットを活用した調査だけでなく、従来型の文献調査やフィールドワークなど、多角的なアプローチが求められます。また、情報の信頼性の確認や、一次資料へのアクセスなど、専門的なスキルも必要とされます。
3.ファクトチェッカー
制作内容の事実確認を専門に行う担当者です。脚本や構成案に含まれる情報の正確性を検証し、誤りや誤解を防ぐ役割を担います。特にドキュメンタリーや実話に基づく作品では、歴史的事実、統計データ、科学的知見、法律関係など、あらゆる情報の裏付けを取る必要があります。また、肖像権や著作権など、法的な観点からのチェックも重要な業務となります。誤った情報の放送や公開を防ぐ、重要な役割を果たします。
4.時代考証担当
特定の時代を描く作品において、その時代の細部の正確性を確認する専門家です。衣装、小道具、建築物、生活習慣、言葉遣いなど、あらゆる面での時代考証を行います。資料調査だけでなく、その時代を知る人々へのインタビューなども重要な情報源となります。視聴者からの指摘を防ぎ、作品の信頼性を高めるために、細かな部分まで確認を行います。
5.専門分野コンサルタント
特定の専門分野に関する助言を行う専門家です。医療、法律、科学、スポーツなど、専門的な知識が必要な分野において、正確な描写のためのアドバイスを提供します。専門用語の使用方法、実務の流れ、専門家としての立ち振る舞いなど、細部にわたる指導を行います。視聴者の中の専門家から見ても違和感のない表現を実現するために、撮影現場での具体的な指導も行うことがあります。