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動画・映像制作用語

【モーションキャプチャ】

M

motioncapture

モーションキャプチャとは、人間の動きや物体の動きをデジタルデータに変換する技術のことです。簡単に言うと、人の動きをコンピュータに取り込む ことで、CGキャラクターやロボットなどにリアルな動きを与えることができます。

モーションキャプチャの仕組み

  1. マーカーの設置: 人や物体の関節や特徴的な部分に、小さな反射球(マーカー)を貼り付けます。

  2. カメラによる追跡: 高速カメラでマーカーを複数方向から撮影し、その位置情報を3次元座標に変換します。

  3. データ化: 得られた3次元座標データを、コンピュータに取り込み、動きデータとして保存します。

  4. CGへの適用: 保存した動きデータを、3Dモデルに適用することで、まるで本物の人間が動いているようなCGを作成できます。


モーションキャプチャの種類

  • オプティカル式: カメラでマーカーを直接追跡する方式で、高精度なデータを取得できます。

  • 慣性センサー式: マーカーの代わりに、慣性センサーを体に装着し、加速度や角速度を計測する方式です。

  • 磁気式: 磁場を利用してマーカーの位置を特定する方式です。


モーションキャプチャの活用例

  • 映画・ゲーム: CGキャラクターの動きをリアルにする

  • アニメーション: キャラクターの動きをより自然にする

  • VR/AR: 仮想空間でのインタラクションをよりリアルにする

  • スポーツ分析: 選手の動きを解析し、パフォーマンス向上に役立てる

  • 医療: リハビリテーションや動作分析に活用


モーションキャプチャのメリット

  • 高精度な動き: 実写の動きを忠実に再現できる

  • 表現の幅が広がる: 従来のアニメーションでは表現できなかった動きも可能になる

  • 制作期間の短縮: 手作業でアニメーションを作成するよりも、短時間で高品質な映像を作成できる


モーションキャプチャのデメリット

  • 高コスト: 専用の機材やソフトウェアが必要で、初期費用がかかる

  • 準備作業: マーカーの設置やデータ処理に手間がかかる

  • 環境への制限: 撮影スタジオなど、専用の環境が必要な場合がある

モーションキャプチャ

​【関連用語】

1. マーカー(Marker)


モーションキャプチャで使用する反射素材や発光素材の目印のことです。現場では単に「マーカー」と呼ばれ、撮影前の準備段階で「マーカー貼って」という指示が一般的です。人体の関節部分や、動きを取得したい部位に取り付けられます。光学式モーションキャプチャでは反射素材を、磁気式では磁気センサーを使用します。プロの演技者は、マーカーの位置や装着感を意識しながらも自然な演技をすることが求められます。マーカーの数や配置は、求められる動作の精度によって変わってきます。特に表情のキャプチャでは、顔に多数のマーカーを配置する必要があります。



2. ボリューム(Volume)


モーションキャプチャを行う撮影空間のことを指します。「ボリュームチェック」という形で、撮影可能な範囲の確認作業を示します。複数のカメラやセンサーで囲まれた空間で、キャプチャ可能な範囲を示します。スタジオでの撮影では固定的なボリュームが設定されていますが、ロケーション撮影では都度セッティングが必要です。ボリュームの大きさは必要な動作の規模によって決定され、ダンスや戦闘シーンなど、大きな動きを伴う場合は広いボリュームが必要となります。



3. クリーンアップ(Clean up)


取得したモーションデータのノイズ除去や補正作業を指します。「クリーンアップ頼む」という形で、データの整理を依頼する際に使用されます。マーカーの見失いや誤認識によるデータの乱れを修正し、滑らかな動きを実現します。特に高速な動きや複数の演技者が接触するシーンでは、入念なクリーンアップが必要になります。この作業の質が最終的なアニメーションの品質を大きく左右します。



4. リターゲット(Retarget)


取得したモーションデータを異なるキャラクターモデルに適用する作業です。「リターゲットする」という動詞形でよく使用されます。人間の動作を動物や想像上のキャラクターに適用する際に必要となる技術です。体格や骨格構造の違いを考慮しながら、自然な動きになるよう調整する必要があります。アニメーションの現場では特に重要な工程として認識されています。



5. テイク(Take)


モーションキャプチャの1回の撮影単位を指します。「もう1テイク」「テイク3」などの形で使用されます。通常の撮影同様、複数回の撮影を行い、最適なデータを選択します。各テイクにはテイク番号が振られ、データ管理の基準となります。動作の質や技術的な問題を確認しながら、必要なテイク数を重ねていきます。良好なデータが得られるまで繰り返し撮影することも珍しくありません。

 

 

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