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動画・映像制作用語

【モーショントラッキング】

M

motiontrakking

モーショントラッキングとは、映像や写真の中で特定の物体の動きを追跡し、そのデータを分析・利用する技術のことです。例えば、映画でCGのキャラクターが実写の背景に溶け込んでいるように見える場合、そのキャラクターの動きがモーショントラッキングによって実写の動きに合わせられていることがあります。

モーショントラッキングの仕組み

  1. 特徴点の抽出: 映像内の追跡したい物体に特徴的な点(角や線など)をコンピュータが自動で抽出します。

  2. 特徴点の追跡: 抽出した特徴点がフレームごとにどのように移動するかをコンピュータが追跡します。

  3. データの生成: 追跡結果から、物体の位置、回転、スケールなどのデータが生成されます。


モーショントラッキングの活用例

  • 映像制作:

    • CG合成: 実写映像にCGのキャラクターやオブジェクトを自然に合成する。

    • スタビライザー: 手ブレを補正し、安定した映像を作成する。

    • オブジェクトの置換: 映像内の特定のオブジェクトを別のオブジェクトに置き換える。

  • ゲーム:

    • モーションキャプチャ: 俳優の動きを捉え、ゲームキャラクターに反映させる。

  • VR/AR:

    • インタラクション: ユーザーの動きを認識し、仮想空間とのインタラクションを実現する。


モーショントラッキングが可能にすること

  • 高精度な動き: コンピュータが自動で動きを計算するため、手作業よりも高精度な動きを実現できます。

  • 時間短縮: 従来の手作業によるアニメーション制作に比べて、制作時間を大幅に短縮できます。

  • 表現の幅を広げる: 実写とCGをシームレスに融合させることで、表現の幅が広がります。


モーショントラッキングの課題

  • 環境への依存: 照明条件や被写体の特徴によって、トラッキングの精度が大きく左右されます。

  • 計算コスト: 高精度なトラッキングを行うには、高性能なコンピュータが必要となる場合があります。


モーショントラッキングは、映像制作やゲーム開発など、様々な分野で活用されている重要な技術です。今後も、より高度なアルゴリズムやハードウェアの開発が進み、さらに高度な表現が可能になると期待されています。

【当サイト関連ブログ】

インカメラVFXの功罪

モーショントラッキング

​【関連用語】

1. スタビライゼーション(Stabilization)


映像の揺れや不要な動きを補正する技術です。モーショントラッキングを利用して映像全体の動きを解析し、逆方向の動きを適用することで安定化を実現します。手持ちカメラでの撮影やドローン撮影など、避けられない揺れが発生する状況で特に重要です。デジタルスタビライザーでは、解析された動きデータに基づいて、位置、回転、スケールなどを自動的に補正します。補正の強さや範囲を調整することで、自然な見た目を維持しながら安定した映像を作成できます。ただし、強すぎる補正は映像の周辺部分の欠落や画質の劣化を招く可能性があるため、適切なバランス設定が重要です。



2. プレーナートラッキング(Planar Tracking)


平面上の模様やテクスチャを追跡し、その動きに合わせて別の映像やグラフィックスを合成する技術です。看板やスクリーンへの映像合成、床や壁へのプロジェクションマッピングなど、様々な用途で使用されます。従来のポイントトラッキングと比べて、より正確な追跡が可能で、視点の変化にも対応できます。例えば、スポーツ中継での広告表示や、SF映画でのホログラム表現など、リアルな合成効果を作り出すことができます。高度なアルゴリズムにより、照明変化や部分的な遮蔽にも強い追跡性能を発揮します。



3. 3Dカメラトラッキング(3D Camera Tracking)


実写映像からカメラの動きを解析し、3D空間内での位置や動きを再現する技術です。CGキャラクターや3Dオブジェクトを実写映像に自然に合成する際に不可欠です。映像内の特徴点を自動的に検出・追跡し、それらの動きから3次元空間を復元します。この技術により、実写とCGの完璧な統合が可能となり、映画やCMの視覚効果制作において重要な役割を果たしています。最新のソフトウェアでは、レンズ歪みの補正やデプス情報の推定も行えるため、よりリアルな合成が可能です。



4. パーティクルトラッキング(Particle Tracking)


動く被写体に追従して、パーティクル(粒子)エフェクトを生成する技術です。例えば、人物の動きに合わせて光の粒子を発生させたり、物体の軌跡に沿って炎や煙のエフェクトを生成したりすることができます。モーショントラッキングデータを基に、パーティクルの発生位置や方向、速度などが制御され、ダイナミックな視覚効果を作り出すことが可能です。アニメーションや特撮作品での魔法や超能力の表現など、創造的な映像効果の制作に活用されています。



5. フェイストラッキング(Face Tracking)


人物の顔の動きや表情を追跡する特殊なトラッキング技術です。顔の特徴点(目、鼻、口など)を自動的に検出し、それらの動きを詳細に追跡します。デジタルメイクアップ、エイジング効果、表情の誇張、別人物への変身など、様々な視覚効果に応用されています。最新のAI技術との組み合わせにより、より正確で自然なトラッキングが可能になっており、SNSフィルターやビデオチャットのエフェクトなど、リアルタイムでの処理も実現しています。

 

 

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