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動画・映像制作用語

【マスク】

M

musk

映像編集において、「マスク」は、映像画面の一部を特定し、その範囲、ないしはその範囲外に対して様々な処理を行うためのツールです。マスクは映像の部分的な編集や効果の適用を可能にする重要なツールとして、色々な場面で活用されています。

マスクとは、映像の特定の領域だけを表示・編集するための「型抜き」のような仕組みです。


映像に半透明の黒いシートをかぶせるようなイメージで、マスクをかけた部分としていない部分で異なる効果や編集を適用することができます。例えば、画面の一部だけをぼかしたい場合、マスクで範囲を指定し、その部分にのみぼかし効果をかけることができます。


マスクは形状や透明度を自由に設定でき、さらに動きをつけることも可能です。これにより、人物の動きに合わせて特定の部分だけを加工したり、画面の一部分だけに色調整を加えたりといった細かな編集作業が実現できます。



マスクの役割

  • 特定範囲の選択: 映像全体ではなく、特定のオブジェクトや領域を選択することができます。

  • 効果の適用: 選択した範囲にのみ、効果(色調補正、ぼかし、動きなど)を適用できます。

  • 合成: 異なる映像素材を合成する際に、マスクを使って境界線を自然に見せることができます。

  • 切り抜き: 不要な部分を隠したり、特定の部分だけを切り抜いたりすることができます。


マスクの種類と使い方

マスクには、大きく分けて以下の種類があります。

  • 形状マスク: 円形、矩形、任意の形状など、あらかじめ用意された形状のマスクを使用します。

  • ベジェマスク: ベジェ曲線を使って、自由な形状のマスクを作成します。

  • ルミナンスキー: 輝度値に基づいて、自動的にマスクを作成します。

  • カラーキー: 特定の色を基準にマスクを作成します。


具体的な使い方の例

  • クロマキー合成: 青や緑の背景で撮影された映像から、人物や物体を切り抜くために、カラーキーのマスクを使用します。

  • オブジェクトの追跡: 動いているオブジェクトを自動的に追跡し、その形状に合わせたマスクを作成します。

  • 特定部分のぼかし: 人物の顔などをぼかしたい場合、その部分にマスクを作成し、ぼかし効果を適用します。

  • トランジション: 2つの映像をスムーズに切り替えるために、マスクを使ってフェードイン・フェードアウトなどの効果を作成します。


マスクは、映像編集において画面の中を隠したり補修するために必須なツールです。まずその概念を理解することが大切です。

【当サイト関連ブログ】

ブログカテゴリー「編集について」

マスク

​【関連用語】

1. ロトスコープ(Rotoscope)


手作業で映像の一部をマスキングしていく高度な技術です。動く被写体の輪郭に沿って、フレームごとにマスクを作成していく作業を指します。例えば、人物を背景から切り抜いて別の背景に合成したり、特定の部分にエフェクトを適用したりする際に使用されます。近年では、AIを活用した自動トラッキング機能により作業効率が向上していますが、細かな調整や複雑な動きへの対応には依然として手作業が必要です。特に映画やCMの視覚効果(VFX)制作において重要な技術として位置づけられており、高度な技術と時間を要する作業として知られています。



2. アルファチャンネル(Alpha Channel)


画像や映像の透明度情報を保持する追加のチャンネルです。RGBの色情報に加えて、透明度を0-100%で制御することができます。マスクとして使用する場合、白黒のグレースケール画像として表現され、白い部分が不透明、黒い部分が透明として扱われます。中間の灰色は半透明として機能し、滑らかな合成を可能にします。動画編集ソフトウェアでは、アルファチャンネルを利用して複数の映像レイヤーを効果的に合成したり、テキストやグラフィックスの表示を制御したりすることができます。



3. トラックマット(Track Matte)


別のレイヤーの明暗や透明度情報を利用して、映像の表示/非表示を制御する技術です。ルミナンスマット(明暗情報を使用)とアルファマット(透明度情報を使用)の2種類があります。例えば、テキストの形状に沿って映像を表示したり、複雑な形状のトランジション効果を作成したりする際に使用されます。After Effectsなどの映像編集ソフトウェアでは、トラックマットを使用した高度な合成効果を簡単に作成することができ、創造的な映像表現を可能にします。



4. ガベージマット(Garbage Matte)


不要な部分を大まかに除去するためのマスクです。例えば、グリーンスクリーン撮影時に、照明機材や撮影機材が映り込んでいる部分を除去する際に使用されます。通常、単純な形状で大きく範囲を指定し、細かい部分のマスキングは他の技術と組み合わせて行います。作業効率を向上させ、後工程でのキーイング処理を最適化するために重要な役割を果たします。デジタル編集ソフトウェアでは、様々なマスクツールと組み合わせて使用することで、効率的な映像制作が可能になります。



5. フェザーマスク(Feather Mask)


マスクのエッジをぼかして自然な合成を実現する技術です。マスクの境界線にグラデーションを適用することで、急激な切り替わりを防ぎ、より自然な見た目を実現します。フェザーの強さは数値で調整可能で、合成する素材や目的に応じて適切な値を設定します。特に人物の髪の毛など、複雑な輪郭を持つ被写体の合成時に重要です。また、光の回り込みや空気遠近法など、自然な視覚効果を表現する際にも活用されています。

 

 

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