動画・映像制作用語
【パン】
P
pan
パンとは、カメラを水平方向に動かす動きを指します。
目的
視野を広げる
被写体を追う
シーンの広がりを表現する
パンの種類
パンレフト: カメラを左に動かす
パンライト: カメラを右に動かす
パンの注意点
速度: パンの速度を調整することで、映像の雰囲気を変化させることができます。
スムーズさ: 動きがカクカクしないように、スムーズにパンを行うことが重要です。
三脚の精度:ある程度の重みと、雲台の滑らかさも重要です。
【関連用語】
1. フィックス(Fixed)
パンニングの反対の概念となる、カメラを固定して撮影する基本的な手法です。ドラマやバラエティ番組の制作現場では「フィックスで」という指示が一般的です。特に人物の対話シーンやインタビュー、商品撮影などで多用されます。安定した構図を維持できる利点があり、視聴者に安定感のある映像を提供できます。三脚やペデスタル(カメラ台)を使用して行われ、微細な振動も防ぐことが重要となります。高解像度化が進む現代では、わずかなブレも目立ちやすくなっているため、より厳密なフィックス技術が求められています。
2. ティルト(Tilt)
パンニングと対になる垂直方向のカメラワークです。上下方向のカメラ移動を指し、建物や人物の全身を捉える際によく使用されます。現場では「上ティルト」「下ティルト」という具体的な指示で使われます。特に高層ビルや大型セットなどを印象的に見せる際に効果的です。パンニングと組み合わせることで、より立体的な空間表現が可能になります。スポーツ中継では、競技の性質に応じてパンニングとティルトを組み合わせた追従撮影が必要となります。
3. トラッキング(Tracking)
被写体と並行して横方向に移動しながら撮影する技法です。パンニングが固定位置からの回転運動であるのに対し、トラッキングはカメラ自体が移動します。ドリーやレールを使用して行われ、現場では「トラで」という指示が一般的です。人物の歩きや走りのシーン、車両の走行シーンなどで多用されます。滑らかな移動ショットを実現するために、レールの設置や動線の確保が重要な準備作業となります。
4. スイッシュパン(Swish Pan)
日本では「ウィップパン」とも呼ばれ、意図的に高速なパンニングを行い、画面をブラーさせる技法です。場面転換やテンポの変化を表現する際に使用されます。特にMVやCM、ドラマの演出で重宝されます。現場では「スイッシュ」や「早振り」という言葉で指示されます。デジタル編集でも似た効果を出せますが、撮影時の実際の動きの方が自然な印象を与えられるため、依然として重要な撮影技術として認識されています。
5. ズームパン(Zoom Pan)
ズーム操作とパンニングを組み合わせた技法です。被写体のサイズを変えながら水平移動を行うことで、ダイナミックな映像効果を生み出します。現場では「寄りながら」「引きながら」といった具体的な指示と組み合わせて使用されます。特に広いロケーション撮影やスポーツ中継で多用され、空間の広がりや臨場感を表現するのに効果的です。技術的な難度が高く、ズームスピードとパンニングスピードの調整が重要となります。