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動画・映像制作用語

【プリプロダクション】

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prepro

日本における「プリプロダクション」とは、映像制作における企画立案から撮影準備までのすべての工程を指し、その業務を専門に請け負う会社を一般的に「制作会社」「プロダクション」と呼んでいます。

映像制作工程は大きく「プリプロダクション(準備)」「プロダクション(撮影)」「ポストプロダクション(仕上げ)」の3段階に分けられます。このうちプリプロダクションは企画・構想段階から始まり、具体的な制作準備までを担当します。現代では、デジタル技術の進化により、プリプロダクション段階でのビジュアライズやテクニカルチェックの重要性が増しています。日本のプリプロダクション業界は、企画立案に特化した会社から、撮影まで一貫して請け負う総合制作会社まで、様々な形態が存在しています。


業務内容


プロデューサー


企画の立案から予算管理、スケジュール調整、スタッフィングまで、制作全体を統括する責任者です。クライアントとの折衝、予算配分、制作体制の構築など、作品の実現に向けた包括的なマネジメントを行います。また、作品の質を保ちながら効率的な制作を実現するため、各部門との調整や意思決定を担います。近年は、多様化する配信媒体への対応や、国際共同制作の増加により、より広範な知識と調整能力が求められています。



ディレクター


作品の演出・構成を担当し、創造的なビジョンを具体化する職種です。企画段階から参画し、作品のコンセプトやトーンを決定します。脚本の作成・監修、絵コンテの作成、ロケハン、キャスティングなど、作品の基本設計に関わるすべての判断を行います。技術的な制約や予算との調整を図りながら、最適な表現方法を選択していきます。



シナリオライター


映像作品の脚本を執筆する専門職です。企画意図をもとに、具体的なストーリー展開、シーン構成、セリフを作成します。ドラマやCMでは視聴者の感情移入を促す魅力的な物語を、ドキュメンタリーでは取材内容を効果的に構成し、企業VPでは依頼主の意図を明確に伝えるストーリーを組み立てます。



制作進行(デスク)


制作進行管理の中核を担う職種です。具体的には、撮影スケジュールの作成、ロケーション確保、出演者との調整、必要機材の手配など、制作に必要なすべての実務的な準備を担当します。予算管理や各部門との連絡調整も重要な業務となります。



プリプロダクション

​【関連用語】

1. 企画書


映像制作の出発点となる基本設計書です。作品の目的、ターゲット、予算、スケジュール、表現方法などを具体的に記述し、制作の指針となる文書です。企画書には通常、作品の主旨(コンセプト)、具体的な内容(構成案)、制作体制、予算案、スケジュール案などが含まれます。特に商業作品の場合、クライアントへのプレゼンテーション資料としても使用されるため、視覚資料や参考データなども盛り込まれます。企画書の質は作品の方向性を決定づける重要な要素となり、各セクションの具体的な準備作業もこれを基準に進められます。デジタル技術の発展により、企画段階でのビジュアライズ(CGやプレビズなど)を含めることも一般的になっています。



2. 絵コンテ


映像作品の設計図となる視覚的な資料です。シナリオの内容を、カット割りやカメラワーク、演出意図などを含めて絵で表現したものです。各カットの構図、サイズ、動き、セリフ、効果音、推定尺などが記載され、撮影時の具体的な指針となります。特に日本では、アニメーション文化の影響もあり、詳細な絵コンテ作成が一般的です。これにより、撮影時の手戻りを防ぎ、効率的な制作を実現します。近年では、デジタルツールを使用した絵コンテ作成や、3DCGを活用したプレビズへの発展も見られます。制作規模や予算に応じて、詳細度は調整されます。



3. ロケハン(ロケーションハンティング)


撮影場所の下見と選定を行う工程です。シナリオや絵コンテの内容に適した撮影場所を探し、実際に現地調査を行います。技術的な撮影可能性の確認だけでなく、許可申請の必要性、電源確保、照明設置スペース、音声収録の環境、出演者の待機場所、駐車スペースなど、実務的な確認事項も多岐にわたります。また、季節や時間帯による光の変化、天候の影響、交通アクセス、近隣への配慮なども考慮します。デジタル時代では、VFXとの組み合わせを前提としたロケハンも増えており、グリーンバック設置の可能性なども検討します。



4. キャスティング


出演者の選定過程を指します。シナリオの登場人物像に合わせて、適切な出演者を選定する重要な工程です。演技力や外見的な適性だけでなく、スケジュールの調整、予算との整合性、話題性、相性なども考慮されます。オーディションの実施、芸能事務所との交渉、契約条件の調整なども含まれます。近年では、SNSでの影響力や、国際展開を見据えた言語能力なども、選定基準の一つとなっています。また、バーチャルタレントの活用など、新しい形態のキャスティングも登場しています。



5. プロットシート


シナリオの前段階として作成される、物語の骨子をまとめた文書です。ストーリーの展開、シーンの流れ、重要な出来事などを簡潔に記述し、作品の全体像を把握するために使用されます。特にドラマやドキュメンタリーでは、取材内容や素材の整理、構成の検討に活用されます。監督やプロデューサーとの打ち合わせ資料としても重要で、この段階で作品の方向性や表現方法について議論が行われます。デジタルコンテンツの制作では、インタラクティブ要素や、マルチデバイス展開を考慮したプロット設計も必要となっています。

 

 

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