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動画・映像制作用語

【ラッシュ】

R

rush

ラッシュとは、映画やドラマ、CMなどの撮影した未編集の撮影素材そのもの、ないしは、その素材を試写することを言います。映像制作のデジタル化が進んだことで、その形態や目的は徐々に変化しています。

デジタル化による変化

  • フィルムからデジタルへ: 昔は、撮影されたフィルムを繋ぎ合わせたものをラッシュと呼びましたが、現在はデジタルデータで撮影されるため、フィルムを繋ぎ合わせるという作業は行われません。

  • オンライン試写: 物理的なフィルムやテープではなく、オンライン上でラッシュ映像を共有できるサービスが普及しています。これにより、遠隔地にいるスタッフとも簡単に共有でき、より迅速なフィードバックを得られるようになりました。

  • 目的の多様化: 従来のラッシュ試写は、撮影された映像を確認し、編集の方向性を決めることが主な目的でしたが、現在は、プロデューサー、監督、撮影監督だけでなく、 VFXチームや音響チームなど、より多くのスタッフが参加し、それぞれの視点から映像を確認する場としても利用されています。


ラッシュ試写会の目的

  • 撮影された映像の確認: 撮影された映像が意図した通りのものであるかを確認し、問題点があれば修正を行います。

  • 編集の方向性の決定: 編集チームが、映像の構成やリズム、トーンなどを検討し、編集の方向性を決定します。

  • 各部門間の連携強化: 撮影、照明、美術、音響など、様々な部門のスタッフが、お互いの仕事内容を理解し、連携を強化します。

  • クライアントへの報告: クライアントに、撮影の進捗状況を報告し、意見を聞く場としても利用されます。


ラッシュ

​【関連用語】

1. デイリー (Daily)


撮影当日の素材を、その日のうちに確認するための上映や視聴を指します。撮影内容の確認、技術的な問題のチェック、演技や構図の評価などを行います。特に映画制作では、フィルムを現像してプリントを作成し、試写室で確認する伝統的なスタイルがありましたが、デジタル化に伴い、その場でモニター確認できるようになっています。撮影監督、監督、プロデューサーなどの主要スタッフが参加し、必要に応じて翌日の撮影方針を調整します。遠隔地での撮影では、オンラインでデイリーを共有することも一般的になっています。素材の品質管理と制作方針の微調整において重要な工程です。



2. ロギング (Logging)


撮影素材の内容を詳細に記録する作業です。タイムコード、シーン番号、テイク番号、カメラ設定、撮影内容の説明、使用可否の判断などを記録します。この情報は、編集作業の効率化や、必要な素材の素早い検索に活用されます。デジタル化により、メタデータとして自動的に記録される技術情報も増えていますが、内容の評価や使用判断など、人による qualitative な記録は依然として重要です。特に長期の撮影プロジェクトでは、膨大な素材を整理・管理する上で不可欠な作業となっています。



3. バックアップワークフロー (Backup Workflow)


撮影素材の安全な保管と管理のための手順を指します。通常、複数のストレージメディアに同時記録したり、撮影後すぐにバックアップを作成したりします。重要な素材は、地理的に離れた場所にも保管し、災害や事故による損失を防ぎます。また、定期的なデータの整合性チェックや、長期保存に適したフォーマットへの変換なども含まれます。クラウドストレージの活用により、即時のバックアップと遠隔地からのアクセスが可能になっていますが、大容量データの転送時間や保管コストの管理も重要な課題です。



4. シナジー (Synergy)


複数のカメラやオーディオ機器で収録された素材を同期させる作業を指します。タイムコードやクラップボードを基準に、映像と音声を正確に合わせていきます。マルチカメラ撮影では、各カメラの映像を同期させることで、切り替え編集が可能になります。最近のソフトウェアでは、波形解析や機械学習を活用した自動同期機能も実用化されていますが、正確性を確保するため、手動での確認と調整も重要です。また、高フレームレート撮影やスロー再生用の素材では、特に慎重な同期作業が必要となります。



5. シーケンスビルダー (Sequence Builder)


撮影素材から仮編集を作成するためのツールや作業工程を指します。ログ情報やメタデータを基に、素材を時系列順や脚本順に並べ、基本的な構成を作ります。編集者は、この段階で素材の質や量を評価し、追加撮影の必要性を判断することもあります。最新の編集ソフトウェアでは、AIを活用して最適なカット順を提案する機能も登場していますが、創造的な編集判断は依然として人間の役割です。また、複数の編集者が同時に作業する場合の素材共有や、バージョン管理の仕組みも重要になっています。

 

 

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